「ペット可物件、全然見つからない」「審査に落ちてしまった」——そんな経験をした飼い主さんは多いはずです。賃貸物件全体に占めるペット可物件の割合は約17〜20%に過ぎず、大型犬や多頭飼いが条件に加わると、選べる物件はさらに絞られます。この記事では、ペット可賃貸物件を探す具体的な手順から、入居審査・交渉・契約時の注意事項まで、実践的な情報を整理しました。

「ペット可」「ペット相談可」「ペット共生型」の3種類を理解する
不動産サイトで「ペット可」と検索すると、実は3種類の表記が混在しています。意味が異なるため、探し始める前に違いを把握しておきましょう。
| 種別 | 内容 | 初期費用 | 物件数 |
|---|---|---|---|
| ペット可 | 飼育が原則OK(種類・頭数に制限あり) | 一般的(敷金増も) | 比較的多い |
| ペット相談可 | 大家さんの裁量次第。条件・人柄・ペットの状況で総合判断される | 交渉次第で変動 | 多い |
| ペット共生型 | ペットとの暮らしを前提に設計。足洗い場・防音床・キャットウォークなど設備が充実 | 高め | 少ない(希少) |
「ペット可」と表示されている物件の多くは「小型犬1匹まで」が前提です。大型犬・猫・多頭飼いが可能かどうかは個別確認が必要で、表記だけで判断するのは禁物です。
ペット可物件の探し方|5つの手順
① 専門サイト・ペット可に強い不動産会社を使う
大手ポータルサイト(SUUMO・HOME’S・athome)は物件数が多い反面、ペット関連の詳細条件が不足しがちです。「ペットホームウェブ」「犬猫不動産」など、ペット可物件を専門に扱うサービスは、体重制限・犬種・多頭可といった細かい条件で絞り込めるため、候補物件を見つけるスピードが上がります。不動産会社の店舗に直接相談すると、ネット非公開の物件情報が得られるケースもあります。
② 検索エリアを広げる
SUUMO 2026年3月調査によると、東京都内でもペット相談可物件の割合には大きなばらつきがあります。江戸川区では35%超なのに対し、三鷹市・国立市は15%未満です。「都心だから少ない・郊外だから多い」という単純な傾向はなく、エリアを少し広げるだけで選択肢が一気に増えることがあります。
③ 譲れない条件と妥協できる条件を分ける
ペット可物件は数が限られるため、通常の物件探しより条件の取捨選択が求められます。「ペットの種類・頭数を受け入れてくれること」を最優先に置き、築年数・駅距離・設備グレードなどの優先度を下げる判断が必要になるケースも出てきます。駅徒歩が遠かったり築年数が古かったりする物件ほど、ペット可条件の間口が広い傾向があります。
④ 不動産会社には最初から正確な情報を伝える
問い合わせや来店時に「犬種・体重・頭数・年齢・ワクチン接種状況」をあらかじめ正確に伝えると、担当者が適切な物件を絞り込む時間を短縮できます。「あとから申告しよう」という姿勢は、内見後に条件不一致で無駄足になるリスクを高めます。

⑤ 内見時にペット目線でチェックする
室内の確認ポイントを整理しておきましょう。
- 床材は傷がつきにくいか(クッションフロア・ペット対応フロアが理想)
- 玄関と居室の間に仕切りがあり、飛び出し事故を防げるか
- 共用部に足洗い場があるか
- 近くに動物病院・公園・散歩コースがあるか
- 高層階でないか(落下事故・エレベーター利用の制約)
大型犬・多頭飼いの物件探し|現実と突破口
体重10kg以下の小型犬が最も受け入れられやすく、15kg以上の中型犬になると選択肢が大幅に絞られます。大型犬(30kg超など)や多頭飼いに対応する物件は、市場全体でみると希少です。多頭飼いは騒音・損傷リスクが倍増すると見なされるため、審査は一段と慎重になります。
大型犬・多頭飼いで物件を見つける3つの突破口
- 「多頭飼育可」「大型犬可」と明記された物件を専門サービスで検索する(「ペット可」だけでは条件不明)
- 戸建て賃貸を狙う(集合住宅より大家さんが条件を柔軟に設定しやすい)
- ペット共生型マンションを探す(初期費用は高くなるが設備・環境が整っており、住民間のトラブルも起きにくい)
「ペット可」とだけ書かれた物件は、管理規約や大家さんの認識が「小型犬1匹」を想定しているケースがほとんどです。大型犬や2頭以上で入居したい場合は必ず事前確認を行ってください。問い合わせ時に曖昧にしておくと、審査後に条件不一致が発覚して時間を無駄にします。
入居審査に通るための準備
ペット可物件の審査は、通常の賃貸審査に「ペット審査」が上乗せされます。審査落ちの主な原因は「収入・保証人の不足」か「ペットの種類・頭数による制限」のどちらかです。ペット可物件は全体の約20%しかなく、物件の希少性が審査の厳しさに直結しています。
審査で求められる主な書類
| 書類 | ポイント |
|---|---|
| ペットの近影写真 | リラックスしている様子・家族と穏やかに過ごす場面が◎ |
| ワクチン接種証明書 | 有効期限内のもの。審査3ヶ月以内の接種が望ましい |
| 狂犬病予防注射済証・犬鑑札 | 犬の場合は法律上の義務(年1回)。必ず最新のものを準備 |
| 健康診断書 | 直近3ヶ月以内のものが信頼性が高い |
| ペット保険加入証明書 | 審査通過後も維持することで大家さんとの信頼関係を保てる |
| しつけ教室修了証(任意) | JKC認定トレーナーの証明書は特に信頼性が高く評価される |
「ペットプロフィール」を作って提出する

審査を通過するうえで効果的なのが、ペットの情報を1枚にまとめた「ペットプロフィール」の提出です。写真・名前・年齢・犬種・体重・性格・しつけ状況・ワクチン接種歴を一覧にして渡すと、大家さんへの誠実さと熱意が伝わります。「無駄吠えがない」「散歩中に他の犬と穏やかに接する」「来客時も落ち着いている」など日常の具体的なエピソードを加えると説得力が増します。
大家さんへの交渉術
「ペット相談可」と表示されている物件は、条件と大家さんへの提案次第で許可が得られる可能性があります。交渉の基本は「大家さんの不安を一つずつ取り除くこと」です。大家さんが警戒しているのは「ペットそのもの」ではなく、ペットが引き起こしうる「損傷・臭い・騒音・近隣トラブル」です。
① 敷金の上乗せを自発的に提案する
「万が一の原状回復費用のため、敷金を1〜2ヶ月分追加します」と先手を打つ。大家さんの金銭的な懸念を直接解消できる。
② トラブル防止策を具体的に伝える
「防音マットを敷く」「壁に保護フィルムを貼る」「共用部ではリードを外さない」など、自分で考えた対策を言葉にして伝える。
③ ペット保険の加入証明を提示する
賠償責任特約付きのペット保険に加入していることを証明書で示すと、万が一の損害補償に備えている飼い主として評価される。
交渉が失敗しやすいケース
築浅・好条件の物件は大家さんに選ぶ余裕があるため、ペット飼育の許可が下りにくい傾向があります。また、過去に家賃滞納や入居マナーのトラブルがある場合は、それが交渉結果に直結します。交渉は「信頼の積み重ね」があってこそ成立するものです。
契約書で確認すべき5つのポイント

契約書にサインする前に、ペット関連の条件を必ず確認してください。入居後に「思っていた飼い方ができない」と気づいても、後から変更は難しいケースがほとんどです。
契約書チェックリスト
- 飼育可能なペットの種類・犬種・体重・頭数の制限(「小型犬1匹まで」が最多)
- 敷金の金額と「敷金償却」(返金されない金額)の有無
- 共用部(エレベーター・廊下)でのペット利用ルール
- 原状回復の範囲(ペットによる傷・臭いは入居者負担が原則)
- 契約途中でのペット頭数変更・新規追加の手続き方法
国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、「飼育ペットによる柱・クロスのキズや臭いの付着」は入居者負担と明示されています。壁や床の保護対策を入居直後から行うことが、退去時の費用を抑える現実的な手段です。
退去トラブルを防ぐ日頃の対策
ペット可物件では、退去時に高額な修繕費用を請求されるトラブルが起きやすいです。日頃から対策を講じておくと、退去費用を大幅に抑えられます。
- フローリングや畳はクッションフロアやペット用マットで保護する
- 壁はペット用保護フィルムやコーナーガードを活用する
- 爪はこまめにカットして床・壁への傷を最小限にする
- 排泄物は素早く処理し、臭いが染みつかないよう換気を徹底する
- 定期的に室内写真を撮って入居時の状態と比較できるよう記録を残す
退去時のトラブルは「どこまでが通常使用で、どこからがペットによる特別損耗か」の線引きで起きることが多いです。入居前と退去前の写真を比較できる状態にしておくと、交渉の材料になります。
ペット保険|賃貸暮らしの飼い主が備えておきたい補償
ペット保険の主目的は「医療費の補償」ですが、賃貸暮らしの飼い主にとってもう一つ注目したいのが賠償責任特約です。愛犬が散歩中に他人を噛んでケガをさせた・飛びついて転倒させたといった場面で、損害賠償費用をカバーする仕組みです。ペット可物件では共用部での他の入居者とのトラブルリスクも高まるため、入居審査の書類として保険加入証明書を提出することで大家さんの安心感にもつながります。
賠償責任特約を選ぶときの確認ポイント
- 補償限度額:1億円以上が目安(対人・対物)
- 対象範囲:散歩中の事故・他人の財物の損壊なども含まれるか
- 免責金額の有無
- 火災保険の「個人賠償責任特約」と重複しないか事前確認を
おすすめのペット保険(賠償責任特約付き)
アニコム損保「どうぶつ健保ふぁみりぃ」
通院・入院・手術の医療費補償に加え、ペット賠償責任特約(オプション)が付帯可能。年間通院の補償日数が多く、日常的な通院が多い犬種に向いています。ペット保険加入証明書が発行されるため、賃貸入居時の審査書類として活用できます。
向いている人:通院リスクが高い犬種を飼っている・賃貸物件の審査でペット保険証明書の提出を求められた
参考保険料:犬・0歳・小型犬で月額1,500円〜(犬種・年齢・プランで変動)
アイペット損保「うちの子」シリーズ
70%・90%の補償割合から選べ、手術補償の上限額が高いのが特徴です。個人賠償責任特約(オプション)を付けることで、散歩中の噛み傷・第三者財物への損害もカバーされます。ペット保険加入証明書の発行に対応しており、入居審査書類として提出できます。
向いている人:手術リスクの高い犬種を飼っている・賃貸物件の審査でペット保険証明書の提出を求められた
参考保険料:犬・0歳・小型犬で月額1,200円〜(犬種・年齢・プランで変動)
参考文献
- DOOR賃貸|ペット可の賃貸物件の上手な探し方と注意点
- LIFULL HOME’S|賃貸物件でのペット飼育…入居後でも交渉できる?基本的なルールと交渉時の注意点
- ペットホームウェブ|賃貸ペット審査に落ちた時の原因と対策ポイントを徹底解説
- 賃貸スタイル|ペット可賃貸の入居審査を通すコツ(犬・猫別)
- SUUMO|ペット可賃貸のお部屋の探し方のコツ
- 三井の賃貸|ペット可賃貸物件の探し方(見つからないときのコツも解説)
- 秀建リノベーション|ペット可賃貸の原状回復トラブルを防ぐ方法・火災保険と特約
- Dear WAN Court|後悔しないペット可物件の探し方
免責事項
本記事の情報は公開時点のものです。賃貸契約に関する法律・規約・費用相場は地域・物件・時期によって異なります。契約内容の判断は必ず専門家(不動産会社・行政書士等)または各物件の管理会社に直接ご確認ください。
広告掲載について
本記事にはアフィリエイト広告が含まれます。紹介している商品・サービスの選定は編集部の独自基準によるものです。
