ダブルコートの犬種一覧|シングルコートとの違い・換毛期・ブラッシング頻度を犬種別に整理

犬種・飼い方

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「うちの子はダブルコート?それともシングル?」と迷う方は多いです。特にシーズーは、サイトによって分類が分かれています。

この記事では、犬種標準で被毛を確認できた犬種だけを一覧表にしました。換毛期の考え方やブラッシングの目安もあわせて整理します。

結論

ダブルコートは、硬めの外側の毛(オーバーコート)と柔らかい下毛(アンダーコート)の二層でできた被毛です。シングルコートはアンダーコートがない被毛を指します。

今回確認できた犬種標準では、シーズー・ポメラニアン・柴・コーギー・ゴールデンなど14犬種がダブルコートでした。マルチーズとパピヨンはアンダーコートなし、チワワはタイプや個体で変わります。

シーズーは、AKCとUKCが「double coat(ダブルコート)」と明記しています。FCIとKC(UK)は「moderate undercoat」(適度なアンダーコート)という表現です。個体差があるため、気になる点は獣医師やトリマーに相談してください。

この記事でわかること

  • ダブルコートとシングルコートの違い
  • 標準で確認できた17犬種の被毛タイプ一覧表
  • シーズーのダブルコート判定が割れる理由
  • 換毛期の考え方とブラッシング頻度の目安
  • サマーカットや「抜け毛が少ない犬」で注意したい点

ダブルコートとシングルコートの違い

ダブルコートは、二層構造の被毛です。犬の毛は、1つの毛穴から太めの毛と細く柔らかい毛が複数本生えるという説明があります。

外側の長めの毛がオーバーコート、皮膚に近い柔らかい毛がアンダーコートです。ケネルクラブ(KC)の用語集では、アンダーコートを「長い外側の毛に隠れた、密で柔らかい被毛」としています。

AKCの獣医責任者が監修する解説では、内側の柔らかい層が保温を担うとされています。外側の毛は色を決める長い毛で、あまり抜けないという説明です。

シングルコートはどんな被毛か

シングルコートは、アンダーコートがない被毛です。マルチーズやパピヨンの標準にも、アンダーコートがないと書かれています。

ただし、シングルコートでも抜け毛はあります。獣医系の解説では、シングルは季節ではなく年間を通して抜ける傾向があるとされています。

ポイント: 「ダブル=たくさん抜ける」「シングル=抜けない」とは限りません。違いは被毛の層の数であり、抜け方の量は犬種や個体で変わります。

ダブルコートの犬種一覧表(標準で確認できた17犬種)

ここでは、JKCが採用するFCI標準、AKC、KC(UK)、UKCの犬種標準に被毛の記述があった犬種だけを載せています。表の英語は、標準の記述を要約したものです。

なお、JKCの犬種紹介(概略)ページには被毛の記述が載っていないため、被毛の根拠はFCI標準などの原典に求めています。ダブルコートかどうかは、標準にアンダーコート(下毛)の記述があるかどうかを基準にしています。

ダブルコートの犬種(14犬種)

犬種 判定 標準の記述(要旨) 確認した標準
シー・ズー ダブル(表現は割れる) double coat と明記、または moderate undercoat AKC・UKC・FCI・KC(UK)
ポメラニアン ダブル double-coated、短く密なアンダーコート AKC・KC(UK)・FCI(ジャーマン・スピッツ)
柴 ダブル 硬く真っすぐな外毛、柔らかく密な下毛 AKC・KC(UK)・FCI
ウェルシュ・コーギー・ペンブローク ダブル 短く密なアンダーコートと粗く長めの外毛 AKC・FCI
日本スピッツ ダブル 短く柔らかく密なアンダーコート FCI
ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア ダブル double coated、硬い外毛と短く柔らかい下毛 KC(UK)・FCI
シェットランド・シープドッグ ダブル 長く硬い外毛と柔らかく短い下毛 FCI
ミニチュア・シュナウザー ダブル 密なアンダーコートと短すぎない上毛 FCI
ラサ・アプソ ダブル(下毛は適度) moderate undercoat FCI
ペキニーズ ダブル 粗い外毛と厚く柔らかい下毛 FCI
ゴールデン・レトリーバー ダブル 密で撥水性のあるアンダーコート AKC・FCI
ラブラドール・レトリーバー ダブル 柔らかく耐候性のあるアンダーコート AKC・FCI
シベリアン・ハスキー ダブル double、換毛期にアンダーコートがないのは正常 AKC・FCI
秋田 ダブル 硬く真っすぐな外毛、柔らかく密な下毛 FCI

シングルコートの犬種(2犬種)

犬種 判定 標準の記述(要旨) 確認した標準
マルチーズ シングル without undercoat(アンダーコートなし) AKC・FCI・KC(UK)
パピヨン シングル without undercoat(アンダーコートなし) AKC・FCI・KC(UK)

出典やタイプで分かれる犬種(チワワ)

チワワは、一律にダブルともシングルとも言えません。FCI標準では、スムースは「アンダーコートがある場合は、毛がやや長い」という書き方です。ロングは「厚すぎないアンダーコートが望ましい」とされています。

つまり、タイプや個体で変わる犬種です。うちの子がどちらに近いかは、獣医師やトリマーに確認すると確実です。

表に載せていない犬種について: トイ・プードル、ヨークシャー・テリア、ミニチュア・ピンシャー、イタリアン・グレーハウンド、ミニチュア・ダックスフンドなどは、標準に被毛タイプの記載がないため、本表では扱いません。日本語の解説では「シングル」とされることもありますが、標準では確認できていません。

シーズーはダブルコート?標準で見ると表現が割れる

日本語サイトでは、シーズーをシングルコートとする解説も見られます。

ただし、確認できた犬種標準とは食い違っています。標準の書き方は次のとおりです。

  • AKC: 「luxurious, double-coated」と明記し、single coat(シングルコート)を欠点としています
  • UKC: 「The breed is double coated」と明記し、single coat を欠点としています
  • FCI(JKCが採用)とKC(UK): 「moderate undercoat(適度なアンダーコート)」で、綿状ではないとしています

アンダーコートはあるものの、表現は「ダブルコート」と「適度なアンダーコート」に分かれています。

ハスキーや柴と同じ感覚で考えないほうがよい理由

FCIとKC(UK)の標準では、シーズーのアンダーコートは「適度」と表現されています。ハスキーや柴のように、季節ごとに大量に毛が抜けるとは限りません。

日本語サイトでシングルとされる理由は、見た目や抜け方の印象によるものではないか、と考えられます。これは推測です。

シーズーの具体的なお手入れは、シーズーの飼い方と毛玉対策で詳しく解説しています。

ダブルコートの換毛期はいつ?考え方を整理

ダブルコートの犬は、春と秋に被毛が入れ替わると言われています。春は暖かくなる前に冬用の下毛が抜け、秋は寒くなる前に厚い冬毛が育つという説明です。

日本では、春から7月ごろ、秋から11月ごろが目安とされています。気温や日照の変化で始まるため、毎年同じ時期とは限りません。

室内で空調が効いていると、季節の変化が少なく、時期がはっきりしないこともあります。換毛期の長さや時期には個体差があります。

シングルコートの犬の抜け毛

シングルコートの犬は、季節ではなく年間を通して一定量が抜ける傾向があるとされています。「換毛期がないから抜けない」とは考えないほうが安心です。

こんな抜け毛は受診の目安に

斑状に毛が抜ける、強いかゆみがある、皮膚が赤いといった様子があれば、換毛期とは別の可能性があります。早めに動物病院へ相談してください。

春の換毛期のケアは春の換毛期のブラッシング完全ガイド、秋は犬の秋の換毛期対策にまとめています。

ダブルコートのブラッシング頻度の目安

当サイトのブラッシングの基本では、短毛は週2〜3回、長毛は毎日が目安です。ダブルコートでも、被毛の長さに合わせて考えます。

たとえば柴やコーギーは短〜中程度の毛、シーズーやシェルティは長めの毛です。換毛期は抜け毛が増えるため、様子を見て回数を調整することが多いです。

ブラッシングの道具や手順は、犬のブラッシングの基本で解説しています。

ポイント: 毛玉や皮膚の赤みに気づいたら、無理にとかさず、トリマーや獣医師に相談してください。痛みがあると、ブラッシングを嫌がるようになることがあります。

サマーカットは必要?ダブルコートの注意点

「暑そうだから短く刈りたい」と考える方もいます。ただし、ダブルコートの毛刈りには注意点があります。

AKCの最高獣医責任者は、二重被毛を刈ると断熱の層がなくなり、熱中症にかかりやすくなる可能性があると述べています。さらに「improper hair growth and possibility of follicle damage(不適切な毛の伸び方と毛包のダメージの可能性)」にも言及しています。

手術のために刈毛された犬を調べた査読論文では、被毛が元の長さに戻るまで平均で約14〜15週(季節により13.6〜15.4週)かかったという報告があります。また、シベリアン・ハスキーを刈毛して調べた研究では、部位によって再生の速さに差があったと報告されています。いずれも個体差があり、二重被毛の犬すべてに当てはまるとは限りません。

被毛が元に戻らなくなると断定できる根拠は、今回確認できていません。サマーカットが必要かどうかは、犬種や皮膚の状態によって異なります。獣医師やトリマーに相談して決めてください。

判断基準は犬のサマーカットは本当に涼しい?にまとめています。

「抜け毛が少ない犬」は「アレルギーが出にくい犬」ではない

抜け毛が少ない犬は、アレルギーが出にくいと思われがちです。ですが、この2つは別の話です。

2012年の研究では、低アレルゲンとされる犬種の被毛にも、主要アレルゲンのCan f 1が対照犬種より多く含まれていました。論文は、低アレルゲンといえる犬種がある証拠は見つからなかったという趣旨でした。

犬アレルギーが心配な方は、「アレルギーが出ない犬」は存在する?や犬アレルギーでも飼える小型犬6犬種をご覧ください。診断や対応については、医師への相談もおすすめです。

抜け毛の掃除については犬の抜け毛が舞う部屋の掃除術が参考になります。

よくある質問(FAQ)

Q. シーズーはダブルコートですか?

A. AKCとUKCの標準はダブルコートと明記しています。FCIとKC(UK)は「適度なアンダーコート」という表現です。日本語サイトの一部がシングルとしているのは、これらの標準の記述とは食い違っています。

Q. チワワはダブルコートですか?

A. 出典やタイプで分かれます。FCI標準では、スムースもロングも、アンダーコートは「ある場合」「厚すぎないものが望ましい」という書き方です。個体差があります。

Q. トイ・プードルはシングルコートですか?

A. 日本語の解説ではシングルとされることがあります。ただし、FCI標準にはアンダーコートの有無の記載がないため、本記事では断定していません。

Q. ダブルコートの犬はブラッシングを毎日したほうがよいですか?

A. 当サイトの目安では、短毛は週2〜3回、長毛は毎日です。被毛の長さや状態で変わるため、迷うときはトリマーに相談してください。

Q. サマーカットをすると毛は元に戻りますか?

A. 元に戻らないと断定する根拠は確認できていません。一方で、AKCの獣医責任者は毛の伸び方への影響の可能性に触れています。必要かどうかは獣医師やトリマーに相談してください。

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ブラッシング用品は、被毛の長さや犬の皮膚の状態によって合うものが異なります。購入前に、獣医師やトリマーにも相談してください。

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犬種ごとの被毛タイプは、各団体の犬種標準の記述をもとにまとめています。実際の被毛や抜け方は、同じ犬種でも個体や年齢、飼育環境で異なります。

※ 本記事は獣医療行為を代替するものではありません。被毛や皮膚の状態、サマーカットの可否、アレルギーの心配などは、必ずかかりつけの獣医師やトリマーにご相談ください。

斑状の脱毛、強いかゆみ、皮膚の赤みなど気になる症状がある場合は、早めに動物病院を受診してください。

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