犬と飛行機に乗る方法|国内線・国際線の手続きと注意点【2026版】

犬と生活

愛犬と一緒に旅行に行きたい、引っ越しで遠方に移動する必要がある…そんなとき、飛行機での移動を検討する飼い主さんも多いでしょう。しかし、「犬を飛行機に乗せても大丈夫?」「どんな手続きが必要?」「リスクはないの?」といった不安を抱える方も少なくありません。

この記事では、2025年最新の情報をもとに、犬と飛行機に乗るための国内線・国際線の手続き、航空会社別の料金とルール、IATA基準のキャリー選び、リスクと注意点まで、徹底的に解説します。

✈️ 犬と飛行機に乗る前に知っておくべき基本

犬は客室に乗れる?貨物室との違い

日本国内の主要航空会社(JAL・ANA)では、原則として犬は貨物室での「お預かり輸送」となります。客室への持ち込みは、盲導犬・聴導犬・介助犬などの補助犬を除き、基本的に認められていません。

ただし、スターフライヤーだけは例外で、2020年から「FLY WITH PET!」というサービスを開始し、小型犬・猫を客室に同伴できるようになりました。

💡 客室同伴 vs 貨物室預け

  • 客室同伴(スターフライヤーのみ):飼い主と一緒にいられるため、ペットのストレスが軽減。ただし、サイズ制限が厳しい(40×40×50cm以内)。
  • 貨物室預け(JAL・ANA等):温度・湿度管理された貨物室で輸送。飼い主と離れるため、ペットにとってはストレスがかかる。

飛行機に乗せられない犬種

以下の犬種は、健康上のリスクが高いため、多くの航空会社で輸送が制限されています。

  • 短頭種(ブラキセファリック):ブルドッグ、フレンチブルドッグ、パグ、シーズー、ペキニーズなど。気道が短く、高温・低酸素環境で呼吸困難を起こしやすい。
  • 極端に攻撃的な犬:他の動物や人に危害を加える可能性がある場合。
  • 妊娠中・出産直後の犬:健康リスクが高い。
⚠️ 短頭種の輸送制限
JAL・ANAでは、ブルドッグ、フレンチブルドッグは通年輸送不可です。その他の短頭種も、夏期(5月〜10月)は輸送制限がかかる場合があります。必ず事前に航空会社に確認してください。

🇯🇵 国内線の手続きと流れ

事前予約と準備

1
航空会社に事前連絡
搭乗日が決まったら、できるだけ早く航空会社に連絡し、ペット輸送の予約を行います。電話またはWebサイトから予約可能です。
2
健康診断とワクチン接種
搭乗前に獣医師による健康診断を受け、狂犬病予防注射証明書および混合ワクチン接種証明書(1年以内)を準備します。
3
IATA基準のキャリーを準備
硬質プラスチック製またはグラスファイバー製の、IATA(国際航空運送協会)基準に準拠したキャリーを用意します。
4
キャリーに慣れさせる
搭乗の数週間前から、キャリーの中で過ごす練習をさせ、慣れさせておきます。

当日の流れ

1
出発2時間〜40分前にカウンターへ
ペット預け専用カウンターで手続きを行います。出発時刻の40分前までに手続きを完了させる必要があります。
2
同意書の記入と料金支払い
ペット輸送に関する同意書に署名し、料金を支払います。
3
キャリーの安全確認
地上係員がキャリーの扉の施錠状態、通気性、強度などを確認します。
4
貨物室へ搬送
地上係員がペットを貨物室へ搬送します。飼い主は通常通り搭乗します。
5
到着後、手荷物受取所で引き取り
到着後、手荷物受取所またはペット専用カウンターでペットを引き取り、体調を確認します。

🌍 国際線の手続きと検疫

国際線では、国内線よりもはるかに複雑な手続きが必要です。特に検疫が重要なポイントです。

日本から海外へ連れて行く場合

1
渡航先の入国条件を確認
国によって必要な書類や検疫期間が異なります。渡航先の大使館や検疫所に問い合わせましょう。
2
マイクロチップの装着
ISO規格(11784/11785)に適合したマイクロチップを装着します(既に装着済みの場合は不要)。
3
狂犬病ワクチン接種
マイクロチップ装着後に、狂犬病ワクチンを接種します(2回接種が必要な国もあります)。
4
狂犬病抗体検査(一部の国)
EU加盟国、オーストラリア、ニュージーランドなどでは、狂犬病抗体検査が必要です。採血後、指定検査施設で検査を受けます。
5
輸出検疫証明書の取得
出発空港を管轄する動物検疫所で、輸出検査を受け、輸出検疫証明書を取得します(出発7日前以降)。
6
航空会社への予約と搭乗
国際線のペット輸送は座席数に制限があるため、早めの予約が必須です。

海外から日本へ連れて帰る場合

日本への入国は、出発地が「指定地域」か「指定地域以外」かで手続きが大きく異なります。

指定地域からの場合(アイスランド、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポールなど)

  • 到着時の検疫は12時間以内で済みます。
  • マイクロチップ、狂犬病ワクチン、輸出国政府発行の証明書が必要。

指定地域以外からの場合(アメリカ、EU、中国、韓国など)

  • マイクロチップ装着
  • 狂犬病ワクチン接種(2回以上)
  • 狂犬病抗体検査(採血日から180日以上待機が必要)
  • 輸出国政府発行の証明書
  • 日本到着の40日前までに動物検疫所へ届出
⚠️ 180日待機ルールに注意
指定地域以外から日本に犬を連れて帰る場合、狂犬病抗体検査の採血日から180日以上待機しないと、日本到着後に最長180日間の係留検査が必要になります。事前に十分な準備期間を確保しましょう。

💰 航空会社別の料金とルール比較

航空会社 国内線料金 国際線料金 客室同伴 最大サイズ(幅×奥×高) 重量制限 備考
JAL 5,500〜7,700円 路線により異なる 不可 63×90×67cm(XL) 32kg未満(超過は貨物扱い) ブルドッグ等は通年不可
ANA 6,600円(一部4,400円) 路線により異なる 不可 機種による 無料手荷物とは別 LLサイズ以上は貨物扱い
スターフライヤー 50,000円 可能 40×40×50cm以内 ペット+キャリー8kg以内 客室同伴可能(国内線のみ)
スカイマーク 5,000円 不可 51×69×48cm 出発30分前まで受付
Peach 取扱なし 不可 ペット輸送サービスなし
🎯 航空会社選びのポイント

  • 小型犬で客室同伴希望:スターフライヤー(北九州・福岡発着便のみ)
  • コスト重視:スカイマーク、ANA一部路線
  • 大型犬:JAL(XLサイズまで対応)
  • 国際線:JAL・ANA(ただし、航空会社によって受入不可の路線もあり)

🧳 IATA基準のキャリー選び

飛行機でペットを輸送する際は、IATA(国際航空運送協会)基準に準拠したキャリーが必須です。

IATA基準の主な条件

  • 素材:硬質プラスチック製、グラスファイバー製、木製など強度の高い素材。ソフトクレート、折り畳み式は不可。
  • :金属製の頑丈な扉で、ロックがしっかり閉まること。
  • 通気性:四方向に通気口があり、十分な換気が確保されていること。
  • 床面:水漏れしない構造。吸水シートやトイレシートを敷く。
  • サイズ:ペットが立ち上がり、向きを変え、横になれる十分な広さ。

サイズの測り方

適切なキャリーサイズを選ぶには、以下の計算式を使います。

  • 長さ:犬の鼻先から尻尾の付け根まで + 10cm
  • :犬の肩幅 × 2
  • 高さ:犬の地面から頭頂部(耳含む)+ 10cm
💡 キャリー選びのコツ
大きすぎるキャリーは、飛行中にペットが中で転倒するリスクがあります。逆に小さすぎると窮屈でストレスに。ちょうど良いサイズを選びましょう。

⚠️ 犬を飛行機に乗せるリスクと注意点

飛行機での移動は、犬にとって大きなストレスと健康リスクを伴います。以下のリスクを理解した上で、慎重に判断しましょう。

主なリスク

  • 温度変化:貨物室は温度・湿度管理されていますが、地上待機中は高温・低温にさらされる可能性があります。
  • 騒音と振動:エンジン音や機体の振動が犬にストレスを与えます。
  • 気圧変化:耳の痛みや不快感を感じることがあります。
  • 分離不安:飼い主と離れることで強い不安を感じる犬もいます。
  • 健康リスク:心臓疾患、呼吸器疾患を持つ犬は、飛行中に症状が悪化する可能性があります。
⚠️ 飛行機に乗せるべきでない犬

  • 生後4ヶ月未満の子犬
  • 7歳以上のシニア犬(特に10歳以上)
  • 短頭種(ブルドッグ、フレンチブルドッグ、パグなど)
  • 心臓病、呼吸器疾患、癲癇などの持病がある犬
  • 妊娠中・出産直後の犬
  • 極度の分離不安がある犬

ストレスを軽減する対策

  • キャリーに慣れさせる:搭乗の2〜3週間前から、キャリーの中で過ごす時間を増やします。
  • お気に入りのブランケットを入れる:飼い主の匂いがついたものを入れると安心します。
  • フライト前の食事制限:搭乗4〜6時間前から食事を与えない(嘔吐防止)。水は搭乗2時間前まで。
  • 事前の運動:搭乗前に散歩や遊びで体力を消耗させ、機内で眠りやすくします。
  • 精神安定剤は避ける:獣医師の指示がない限り、精神安定剤や睡眠薬は使わないでください。平衡感覚に影響し、危険です。

🩺 飛行機前の準備チェックリスト

✅ 搭乗2〜3ヶ月前

  • 航空会社にペット輸送の可否と料金を確認
  • 国際線の場合:渡航先の入国条件を調査
  • マイクロチップ装着(未装着の場合)
  • 狂犬病抗体検査(必要な場合)
✅ 搭乗1ヶ月前

  • 航空会社にペット輸送の予約
  • IATA基準のキャリーを購入
  • キャリーに慣れさせる訓練開始
  • 獣医師による健康診断
✅ 搭乗1週間前

  • 輸出検疫証明書の取得(国際線の場合)
  • 再度、体調チェック
  • キャリー内の準備(吸水シート、ブランケット、給水器)
✅ 搭乗当日

  • 搭乗4〜6時間前から食事制限
  • 搭乗2時間前から水分制限
  • 搭乗前に排泄を済ませる
  • 出発40分前までにカウンターで手続き

🏁 到着後のケア

到着後は、愛犬の体調をしっかり確認し、ストレスケアを行いましょう。

  • 体調チェック:呼吸、心拍数、体温、食欲、元気さを確認。異常があればすぐに獣医師に連絡。
  • 水分補給:到着後、少量ずつ水を与えます。
  • 静かな環境で休ませる:移動の疲れを癒すため、静かな場所でゆっくり休ませます。
  • 食事は少しずつ:到着後2〜3時間経ってから、少量の食事を与えます。
  • 様子を観察:数日間は、体調に変化がないか注意深く観察します。

🛒 おすすめの航空対応キャリー

IATA基準に準拠した、日本国内で購入できるおすすめキャリーを紹介します。

1. N&S ペットキャリー IATA基準対応 Mサイズ

IATA基準をクリアした航空輸送対応のハードキャリー。中小型犬用で、通気性に優れ、組み立ても簡単。清潔に保ちやすい設計で、旅行や通院にも最適。

サイズ: 外寸 幅45×奥行61×高さ42cm
対応犬種: 小型犬〜中型犬(約10kgまで)
特徴: IATA対応、組み立て簡単、通気性良好

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2. AP LAB ペットキャリー IATA基準品 クレート キャスター付き

IATA基準を満たし、国内外の航空輸送に対応。キャスター付きで移動が楽々。水飲み皿付きで、長時間の移動にも安心。小型犬から大型犬まで、サイズ展開が豊富。

サイズ: 複数サイズ展開(S〜XL)
特徴: キャスター付き、水飲み皿付き、ベルト付きタイプ
対応犬種: 小型犬〜大型犬

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3. N&S ペットキャリー ハードタイプ トップオープン IATA対応

トップオープン式で、犬の出し入れがスムーズ。軽量ながら丈夫で、飛行機・車・旅行・通院に対応。複数カラー展開で、好みに合わせて選べます。

サイズ: S/Mサイズ展開
特徴: トップオープン、軽量、丈夫、通気性良好
カラー: ホワイト、グレー、ブラウン

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❓ よくある質問(FAQ)

Q1. 犬を飛行機に乗せるのは危険ですか?

絶対に安全とは言えません。温度変化、騒音、気圧変化、ストレスなどのリスクがあります。特に短頭種、シニア犬、持病がある犬は避けるべきです。健康な成犬であっても、必ず獣医師に相談してから判断しましょう。

Q2. ペットを客室に持ち込める航空会社はありますか?

日本国内では、スターフライヤーのみが「FLY WITH PET!」サービスで、小型犬・猫の客室同伴を許可しています。ただし、サイズ制限(40×40×50cm以内)、重量制限(8kg以内)があり、料金は50,000円です。

Q3. 国際線で犬を連れて行く場合、どのくらい前から準備が必要ですか?

最低でも6ヶ月前から準備を始めることをおすすめします。特に、指定地域以外への渡航や帰国の場合、狂犬病抗体検査の180日待機ルールがあるため、十分な準備期間が必要です。

Q4. 飛行機に乗せる前に精神安定剤を飲ませても良いですか?

おすすめしません。精神安定剤や睡眠薬は、犬の平衡感覚や呼吸に影響を与え、飛行中のリスクを高める可能性があります。多くの航空会社や獣医師も、使用を推奨していません。

Q5. JALとANA、どちらがペット輸送に向いていますか?

基本的なサービス内容は似ていますが、JALはXLサイズまで対応しているため、大型犬の輸送に向いています。ANAは一部路線で料金が安い(4,400円)こともあります。ご自身の犬のサイズと路線に合わせて選びましょう。

Q6. ペットの輸送中、飼い主は貨物室の様子を確認できますか?

いいえ、確認できません。貨物室への立ち入りは禁止されています。到着後、引き取り時に初めて愛犬と再会することになります。

Q7. 夏や冬でも犬を飛行機に乗せられますか?

航空会社によって異なります。多くの航空会社は、夏期(5月〜10月)に短頭種の輸送を制限しています。また、極端に暑い日や寒い日は、輸送を断られる場合もあります。事前に航空会社に確認しましょう。

Q8. キャリーはレンタルできますか?

一部の空港やペット専門店でレンタル可能ですが、数に限りがあります。自前で購入しておくことをおすすめします。また、事前にキャリーに慣れさせる訓練も必要です。

Q9. 到着後、犬が体調を崩した場合はどうすればいいですか?

すぐに最寄りの動物病院に連絡し、診察を受けてください。可能であれば、事前に渡航先の動物病院を調べておくと安心です。航空会社にも事故報告を行いましょう。

Q10. 犬を飛行機に乗せずに移動する他の方法はありますか?

はい、ペット専用輸送業者ペットタクシー新幹線(一部条件あり)フェリーなどの選択肢があります。特に短距離であれば、車や新幹線の方がストレスが少ない場合もあります。

📝 まとめ|愛犬との空の旅を安全に

犬と飛行機に乗ることは可能ですが、リスクと準備が伴うことを忘れてはいけません。特に短頭種やシニア犬は、飛行機に乗せるべきではありません。

もし飛行機での移動が避けられない場合は、以下のポイントを守りましょう:

  • 事前に獣医師に相談し、健康状態を確認
  • IATA基準のキャリーを用意し、事前に慣れさせる
  • 航空会社への早めの予約と、ルールの確認
  • 国際線では検疫手続きを計画的に(最低6ヶ月前から)
  • 当日は余裕を持って空港に到着し、丁寧な手続きを
  • 到着後は体調チェックと十分な休息を

愛犬との空の旅が、安全で快適なものになることを願っています。

🩺 獣医師からのアドバイス

飛行機での移動は、犬にとって大きな負担となります。特に心臓疾患、呼吸器疾患、癲癇などの持病がある犬は、飛行中に症状が悪化するリスクが高いため、絶対に避けるべきです。

また、短頭種は気道が狭く、高温・低酸素環境で呼吸困難を起こしやすいため、多くの航空会社で輸送が制限されています。愛犬の健康と安全を最優先に考え、飛行機以外の移動手段も検討してください。

飛行機に乗せる前には、必ずかかりつけの獣医師に相談し、健康診断を受けることをおすすめします。

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