🏥 犬の腎臓病の症状と食事療法|慢性腎不全の管理方法

犬のケア

🐕 愛犬の健康を守るために知っておきたい腎臓病のこと
犬の腎臓病は、特に7歳以上のシニア犬に多く見られる病気です。腎臓は血液をろ過して老廃物を排泄し、体内の水分バランスを調整する重要な臓器ですが、一度失われた腎機能は元に戻ることがありません。しかし、早期発見と適切な管理によって、進行を遅らせ、愛犬の生活の質を維持することは可能です✨

🔍 犬の腎臓病とは|急性と慢性の違い

犬の腎臓病は、大きく「急性腎不全」「慢性腎不全(慢性腎臓病)」の2つに分類されます。それぞれ原因や治療方針が異なるため、まず違いを理解することが重要です。

⚡ 急性腎不全

急性腎不全は、数時間から数日の短期間で急激に腎機能が低下する状態です。主な原因として、誤食や中毒、感染症、脱水、ショック状態、尿路閉塞などが挙げられます。

急性腎不全は、原因を取り除くことができれば回復する可能性があり、迅速な対応が求められます。症状としては、突然の食欲不振、嘔吐、極度の脱水、尿が出なくなる(無尿)などが特徴的です。

📊 慢性腎不全(慢性腎臓病)

慢性腎不全は、数週間から数ヶ月、数年にわたって徐々に腎機能が失われていく状態です。主に加齢、遺伝、他の病気の影響、高血圧、脱水などが原因とされています。

慢性腎臓病の場合、失われた腎機能が回復することはほとんどありませんが、適切な食事療法と管理によって進行を遅らせることが可能です。早期発見が何よりも重要となります。

🩺 犬の腎臓病の症状|早期発見のポイント

慢性腎臓病は初期段階ではほとんど症状が現れないため、「静かに進行する病気(サイレントキラー)」とも呼ばれています。以下のような症状が見られたら、すぐに動物病院を受診しましょう。

✅ 主な症状チェックリスト

  • 💧 多飲多尿(水をたくさん飲み、尿量が増える)
    体重1kgあたり1日80〜100ml以上の水を飲んでいる場合は要注意です。
  • 🍽️ 食欲不振・体重減少
    徐々に食事量が減り、体重が落ちてきます。
  • 🤮 嘔吐や吐き気
    老廃物が体内に蓄積することで、吐き気や嘔吐が起こります。
  • 😔 元気がない・無気力
    いつもより活動量が減り、寝ている時間が増えます。
  • 💩 便秘や下痢
    消化器系の症状が現れることがあります。
  • 😷 口臭(アンモニア臭)
    尿毒症が進行すると、口からアンモニア臭がすることがあります。
  • 🩸 貧血
    歯茎や舌の色が薄くなります。

⚠️ 早期発見のために

慢性腎臓病は、血液検査で異常が出る前に尿検査で発見できることが多いです。特に7歳以上のシニア犬は、年に1〜2回の定期健康診断(血液検査・尿検査)を受けることをおすすめします。また、日頃から水を飲む量や尿の色・量をチェックすることも大切です。

📈 IRISステージ分類|進行度と管理方法

慢性腎臓病の進行度は、国際獣医腎臓病研究グループ(IRIS)が定めた「IRISステージ分類」によって4段階に評価されます。血液検査の数値(クレアチニンやSDMA)をもとに判定され、各ステージに応じた治療と管理が行われます。

ステージ 残存腎機能 主な症状 平均余命(目安)
ステージ1
(初期)
約33%〜100% ほぼ無症状。検査でのみ異常が判明 約400日以上
ステージ2
(軽度)
約25%〜33% 多飲多尿が始まる。軽度の食欲不振 約14.78ヶ月(200〜400日)
ステージ3
(中等度)
約10%〜25% 嘔吐、食欲不振、体重減少が顕著 約11.14ヶ月
ステージ4
(末期)
約10%以下 重度の尿毒症。ほとんど食べられない 約1.98ヶ月(14〜80日)

※余命はあくまで目安であり、個体差や治療内容によって大きく変わります。

🍽️ 腎臓病の食事療法|療法食と栄養管理

慢性腎臓病の管理において、食事療法は最も重要な柱の一つです。研究では、腎臓病用の療法食を与えた犬は、一般食を与えた犬に比べて生存期間が約3倍に延びたという報告もあります。

🎯 食事療法の7つのポイント

1️⃣ リンの制限

腎機能が低下すると、リンを効率的に排泄できなくなります。高リン血症は死亡リスクを高めるため、リンの含有量を抑えた療法食が推奨されます。ドライフードでは0.2〜0.5%程度が目安です。

2️⃣ タンパク質の適切な制限

タンパク質を代謝する際に生じる老廃物(尿素)が体内に蓄積すると尿毒症を引き起こします。しかし、過度な制限は筋肉量の減少につながるため、適度な制限が必要です。高品質で消化しやすいタンパク質を選びましょう。

3️⃣ ナトリウム・塩分の制限

腎臓病では高血圧を伴うことが多いため、ナトリウム(塩分)の制限も重要です。血圧管理によって腎臓への負担を軽減できます。

4️⃣ オメガ3脂肪酸の増量

DHA・EPAなどのオメガ3脂肪酸には抗炎症作用があり、腎臓の炎症を抑え、進行を遅らせる効果が期待されています。魚油などが含まれた療法食が理想的です。

5️⃣ カリウムの調整

腎機能が低下すると、カリウムの排泄が困難になり高カリウム血症を引き起こすことがあります。症状に応じてカリウムの摂取量を調整します。

6️⃣ 抗酸化物質の添加

ビタミンEやビタミンCなどの抗酸化物質は、腎臓の細胞を守る働きがあります。療法食には適切に配合されています。

7️⃣ 十分なカロリー摂取

食欲が低下しがちな腎臓病の犬にとって、カロリー不足は筋肉量の減少につながります。少量でも高カロリーな療法食を選び、分割給餌(1日3〜4回)で与えることが推奨されます。

⚠️ 避けるべき食材

以下の食材はリンやタンパク質が多く含まれるため、腎臓病の犬には避けるべきです:

  • 内臓類(レバー、ハツなど)
  • 乳製品(チーズ、牛乳など)
  • 煮干し、小魚
  • 加工食品(人間用のハムやソーセージ)
  • 高タンパクなおやつ(ジャーキーなど)

💧 水分補給と日常ケア

腎臓病の犬にとって、水分補給は生命線です。脱水状態になると腎機能がさらに低下し、病状が急激に悪化することがあります。

💦 水分補給のポイント

  • 新鮮な水をいつでも飲めるようにする
    水は1日に数回交換し、常に清潔な状態を保ちましょう。
  • 複数の場所に水飲み場を設置
    犬がいつでもアクセスしやすいよう、家の中に複数の水飲み場を用意します。
  • 水分摂取量を記録する
    毎日の飲水量を記録することで、体調の変化にいち早く気づけます。
  • ウェットフードを活用する
    水分含有量の多いウェットタイプの療法食も効果的です。
  • 外出時は携帯用給水器を持参
    散歩や移動の際も、こまめに水分補給できるようにしましょう。

📝 日常でできる健康管理

  • 体重測定を定期的に行う:体重減少は病状悪化のサインです
  • 食欲や活動量を記録する:日記をつけて変化を把握しましょう
  • 尿の量・色・臭いをチェック:異常があればすぐに受診を
  • 定期的な血液検査:3〜6ヶ月ごとに腎機能をモニタリング
  • ストレスを減らす:穏やかな環境で過ごせるよう配慮しましょう
  • 適度な運動:無理のない範囲で散歩を続けることも大切です

🏥 治療とサポート|薬物療法と透析

食事療法に加えて、症状やステージに応じた薬物療法が行われます。

💊 主な薬物療法

  • リン吸着剤:血液中のリン濃度を下げる薬
  • ACE阻害薬・ARB:血圧を下げ、タンパク尿を減らす
  • 制吐剤:吐き気や嘔吐を抑える
  • 胃薬:胃酸過多や胃潰瘍の予防
  • 貧血治療薬:赤血球産生を促す(エリスロポエチン製剤)
  • 輸液療法:脱水を改善し、腎機能をサポート

🩺 透析療法について

末期の腎不全では、血液透析や腹膜透析といった透析療法が選択肢となることもあります。ただし、動物の透析は設備や費用の面で限られた施設でのみ実施されており、負担も大きいため、獣医師とよく相談することが大切です。

🔬 早期発見のための検査と予防

腎臓病は初期段階ではほとんど症状がないため、定期的な健康診断による早期発見が何よりも重要です。

🔍 推奨される検査

  • 尿検査:尿比重、タンパク尿、潜血などをチェック。血液検査より早期に異常を検出できます
  • 血液検査:BUN(血中尿素窒素)、クレアチニン、SDMA、電解質などを測定
  • 血圧測定:高血圧は腎臓病の原因にも結果にもなります
  • 画像診断:超音波検査やX線で腎臓の大きさや形を確認

🛡️ 腎臓病の予防方法

完全に予防することは難しいですが、以下の対策でリスクを減らせます:

  • 栄養バランスの良い食事:塩分控えめで質の良い食事を
  • 適切な水分補給:新鮮な水をいつでも飲めるようにする
  • 定期的な健康診断:7歳以上は年1〜2回、シニア犬は半年に1回
  • 適度な運動:肥満予防と健康維持のために
  • ワクチン接種:感染症予防も腎臓を守ります
  • 誤食防止:有毒物質や薬の誤飲に注意
  • ストレス管理:穏やかな生活環境を整える

✨ まとめ|愛犬との大切な時間を守るために

犬の腎臓病は完治が難しい病気ですが、
早期発見と適切な食事療法・日常ケアによって、進行を遅らせることが可能です。

定期的な健康診断で愛犬の腎機能をチェックし、
日頃から水を飲む量や尿の状態を観察することが大切です。
愛犬との幸せな時間を少しでも長く過ごすために、できることから始めましょう!

⚠️ 必ず獣医師にご相談ください

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個々の愛犬の状態に応じた診断や治療の代わりになるものではありません。

以下のような症状が見られた場合は、すぐに動物病院を受診してください:

  • 急激な水の飲む量の増加(多飲)
  • 尿の量が極端に増えた、または減った
  • 食欲が数日間なくなった
  • 繰り返す嘔吐や下痢
  • ぐったりして元気がない
  • 口からアンモニア臭がする
  • 歯茎や舌の色が薄い(貧血の兆候)

腎臓病の診断や治療方針、食事療法の内容については、
必ずかかりつけの獣医師の指導のもとで進めてください。

📚 参考文献

  1. 犬と猫の慢性腎臓病について|発見が遅れやすい病気 – かやま動物病院
  2. 犬の腎臓病を知っておこう 初期症状と治療法、早期発見のポイント – おおした動物病院
  3. 【獣医師監修】シニア犬の慢性腎臓病 – 森田動物医療センター
  4. 犬の命に関わる腎不全とは?原因や症状 – 富士見台どうぶつ病院
  5. 犬の腎不全|急性・慢性の違い・原因・治療・予後などを腎泌尿器専門医が解説 – PETOKOTO
  6. 犬の慢性腎不全の症状と原因、治療法について – PS保険
  7. 慢性腎臓病の犬が制限するべき「成分」とは?食事で注意したいポイントを獣医師が解説 – POCHIドッグフード
  8. 【獣医師監修】腎臓病の犬が食事で取り入れるべき栄養は?食べてはいけないものも解説 – Vetz Petz
  9. 犬の腎臓病 症状にもとづく「治療」「7ポイントの食事療法」 – ドッグフード・ラボ
  10. IRIS CKD ガイドライン(PDF) – IDEXX
  11. IRISステージ分類について解説:犬と猫の慢性腎臓病 – 獣医のホンネ
  12. IRISによるイヌとネコの慢性腎臓病の治療に関するガイドライン – アークレイ
  13. 犬の腎臓病と水分量、飲水のあげ方について解説 – 宿南動物病院
  14. 犬の腎臓病について—原因から治療、予防まで獣医師が徹底解説 – 渋谷区の動物病院
  15. 犬の慢性腎不全のステージごとの症状や余命について解説 – One Pet Holdings
  16. 犬の腎臓病は回復するの?ステージって?獣医さんに質問してみた – POCHIドッグフード
  17. 犬の腎臓病とは?|愛犬の健康を守るための早期発見とケア方法 – くまちゃん動物病院
  18. 犬の腎臓病は発見が遅れやすい?|定期的な健康診断で愛犬を守る – サーカス動物病院
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