災害時、愛犬を守れるのは飼い主だけ
日本は地震・台風・豪雨など、自然災害が多い国です。2024年の能登半島地震、2018年の西日本豪雨、2016年の熊本地震など、ペット同伴での避難を余儀なくされた飼い主さんは数多くいます。環境省の調査によれば、災害時にペットと離れ離れになった飼い主の約60%が「事前の備えが不十分だった」と回答しています。
愛犬の命を守るのは、飼い主であるあなたの「備え」次第です。この記事では、地震・台風などの災害に備えるべき犬用防災グッズを優先順位別に徹底解説します。何を準備すべきか、どのように備蓄すべきか、避難訓練のポイント、同行避難のルールまで、完全マニュアルとしてお届けします。
- 優先順位別・犬用防災グッズの完全リスト
- 最低7日分の備蓄方法と保管場所
- 同行避難と同伴避難の違い
- 避難訓練(クレートトレーニング)の方法
- 避難所でのマナーと注意点
犬用防災グッズ|優先順位別リスト
災害時に本当に必要なものを見極め、優先順位をつけて準備しましょう。ここでは、【優先度:高】【優先度:中】【優先度:低】の3段階に分けて、必需品をリスト化します。
🔴 【優先度:高】絶対に必要!命に関わるもの
避難時にまず持ち出すべき、愛犬の生命維持に直結するアイテムです。これらは非常用持ち出し袋に入れ、玄関や寝室など、すぐに持ち出せる場所に保管しましょう。
| アイテム | 必要量・目安 | ポイント |
|---|---|---|
| フード(ドッグフード) | 最低7日分、できれば10日〜2週間分 | 食べ慣れたもの。ドライフードは保存性が高い。ジップロックで小分けに。 |
| 飲料水 | 1日あたり体重1kgにつき50〜100ml × 7日分 | ペットボトル(500ml〜2L)で備蓄。人間用と兼用可。 |
| 常備薬・療法食 | 最低7日分 | 持病がある犬は必須。処方箋のコピーも一緒に。 |
| 首輪・リード | 予備を含め2セット | 名札・鑑札付き首輪。リードは切れたときの予備も。 |
| 迷子札・鑑札・マイクロチップ情報 | 常時装着 | 飼い主の連絡先、名前を明記。マイクロチップは登録情報を最新に。 |
| クレート(キャリーケース) | 愛犬が中で立ち上がれるサイズ | 折りたたみ式が便利。避難所での必須アイテム。 |
| フード皿・給水ボウル(折りたたみ式) | 1〜2個 | 軽量で持ち運びやすいシリコン製がおすすめ。 |
| ワクチン接種証明書・健康手帳 | コピーでも可 | 避難所での受け入れ条件になることも。ジップロックで防水保管。 |
| 愛犬の写真(飼い主と一緒) | 複数枚(スマホにも保存) | 迷子捜索時の証明用。特徴がわかる写真を。 |
環境省や自治体のガイドラインでは、ペット用フード・水は最低7日分の備蓄が推奨されています。災害発生直後は物資の供給が滞るため、避難所にペット用品の備蓄はほとんどありません。自分たちで持参することが大前提です。できれば10日〜2週間分を目安に準備しましょう。
🟡 【優先度:中】避難生活を快適にするもの
避難所での生活や、一時避難後に自宅に取りに戻れるアイテムです。自宅の備蓄スペースにまとめて保管しておきましょう。
| アイテム | 必要量・目安 | ポイント |
|---|---|---|
| トイレシート | 1日あたり5〜10枚 × 7日分 | 避難所では必須。吸水性の高いものを。 |
| ビニール袋・ゴミ袋 | 50枚以上 | 排泄物処理用。消臭機能付きが便利。 |
| 消臭スプレー | 1本 | 避難所では臭い対策が重要。ペット用消臭剤を。 |
| ウェットティッシュ・タオル | 複数パック | 足拭き、体拭き用。厚手のものが便利。 |
| ペット用救急セット | 1セット | 包帯、消毒液、ガーゼ、ピンセット、体温計など。 |
| ブラシ・グルーミング用品 | 1セット | 避難生活でのストレス軽減に。毛玉予防にも。 |
| お気に入りのおもちゃ・ブランケット | 1〜2個 | 慣れない環境でのストレス軽減。安心感を与える。 |
| 洋服(防寒着) | 1〜2枚 | 冬季の避難や、寒さに弱い犬種に。 |
| ハーネス(予備) | 1個 | 首輪が外れたときの予備。散歩時にも。 |
🟢 【優先度:低】あると便利なもの
余裕があれば準備しておきたいアイテムです。避難生活が長期化した際に役立ちます。
- ペット用シャンプー: 避難所での衛生管理用。ドライシャンプーが便利。
- 折りたたみ式ケージ: 避難所でのスペース確保用。コンパクトに収納できるものを。
- おやつ: ストレス軽減、しつけの強化に。長期保存可能なものを。
- ペット用レインコート: 雨天時の散歩用。台風避難時にも。
- LEDライト(首輪装着型): 夜間の散歩や、停電時の視認性向上。
- ポータブルバッテリー: スマホ充電用。GPS首輪の充電にも。
フードや薬には賞味期限があります。年2回(春と秋)の定期チェックで、期限切れがないか確認しましょう。ローリングストック(古いものから使い、新しいものを補充)で、常に新鮮な備蓄を維持できます。
備蓄の保管場所と持ち出し方
防災グッズを準備しても、いざというときに持ち出せなければ意味がありません。保管場所と持ち出し方を工夫しましょう。
📦 2段階の備蓄システム
1. 非常用持ち出し袋(1次持ち出し品)
【優先度:高】のアイテムをリュックやバッグにまとめて、玄関や寝室など、すぐに持ち出せる場所に保管。背負って避難できる重さ(10kg以下)が目安です。
- フード(3〜7日分)
- 飲料水(2L×2本程度)
- 常備薬・療法食
- 首輪・リード(予備含む)
- クレート(折りたたみ式)
- フード皿・給水ボウル
- ワクチン証明書・健康手帳
- 愛犬の写真
2. 自宅備蓄(2次持ち出し品)
【優先度:中】【優先度:低】のアイテムを、自宅の備蓄スペース(物置、クローゼットなど)にまとめて保管。一時避難後に取りに戻れる場合に持ち出します。
- フード(追加7日〜1ヶ月分)
- 飲料水(追加分)
- トイレシート(大量)
- ビニール袋・消臭スプレー
- ペット用救急セット
- ブラシ・グルーミング用品
- お気に入りのおもちゃ・ブランケット
- その他便利グッズ
車を持っている方は、車のトランクに予備の防災セットを常備しておくと安心です。外出先で被災した際にも役立ちます。フードと水は定期的に入れ替えを忘れずに。
同行避難と同伴避難の違い
災害時のペット避難には、「同行避難」と「同伴避難」という2つの概念があります。この違いを理解しておかないと、避難所でトラブルになる可能性があります。
🏘️ 同行避難とは?
「同行避難」とは、ペットと一緒に避難所などの安全な場所まで移動することを指します。環境省のガイドラインでは、災害時はペットを置き去りにせず、同行避難することが原則とされています。
ただし、避難所で飼い主とペットが同室で生活できるわけではありません。多くの避難所では、衛生面やアレルギーを持つ方への配慮から、ペットは指定された「ペット飼養スペース」で過ごすことになります。
🏡 同伴避難とは?
「同伴避難」とは、飼い主とペットが同じ部屋で一緒に避難生活を送ることを指します。日本の多くの避難所では、原則として同伴避難は認められていません。
ただし、一部の自治体(東京都豊島区、千代田区など)では、ペット同伴避難を前提とした避難所の整備が進んでいます。お住まいの自治体の防災計画を事前に確認しておきましょう。
| 項目 | 同行避難 | 同伴避難 |
|---|---|---|
| 定義 | ペットと一緒に避難所まで移動 | 飼い主とペットが同室で生活 |
| 避難所での扱い | ペットは専用スペースで管理 | 飼い主とペットが一緒の部屋 |
| 日本の現状 | 原則として全避難所で可能 | 一部の自治体のみ対応 |
| 飼い主の役割 | ペットの世話は飼い主の責任 | 同左 |
「同行避難可能」という表記を見て、「避難所でペットと一緒に寝られる」と誤解する飼い主さんがいますが、実際にはペットは専用スペース(屋外や別室)で過ごすことがほとんどです。事前に自治体の避難所運営マニュアルを確認しておきましょう。
避難所でのルールとマナー
避難所では、動物が苦手な方やアレルギーを持つ方も生活しています。飼い主として守るべきルールとマナーを徹底しましょう。
📜 避難所での基本ルール
- ペット飼養スペースの指示に従う: 避難所ごとにペット専用エリアが指定されます。勝手に居住スペースに連れ込まない。
- クレート・ケージでの管理: ペットは基本的にクレートやケージの中で過ごします。リードでつないだだけの放置は禁止。
- トイレの処理は飼い主の責任: 排泄物は必ず飼い主が処理。トイレシートを使い、ゴミ袋に密閉してゴミ箱へ。
- 鳴き声・臭い対策: 他の避難者に迷惑をかけないよう、消臭スプレーやしつけで対策を。
- ワクチン接種証明書の提示: 避難所によっては、狂犬病・混合ワクチンの接種証明が必要です。
- 飼い主同士でルールを作る: ペット飼養スペースでは、飼い主同士で当番制やルールを決めることも。協力し合いましょう。
🤝 マナーと配慮
- 無駄吠え対策: 日頃からのしつけが重要。避難所で吠え続けると、他の避難者とトラブルになります。
- ノミ・ダニ予防: 事前に予防薬を投与しておきましょう。避難所での衛生管理は必須です。
- 他のペットとの接触管理: 他の犬と喧嘩しないよう、距離を保ちましょう。
- アレルギーを持つ方への配慮: ペットの毛が飛び散らないよう、ブラッシングは専用エリアで。
✅ 避難所受け入れチェックリスト
避難所でスムーズに受け入れてもらうために、以下を事前に確認しておきましょう。
- ☑ お住まいの自治体の指定避難所を確認
- ☑ ペット同行避難が可能か確認
- ☑ ペット飼養スペースの有無を確認
- ☑ ワクチン接種証明書を準備
- ☑ クレート・ケージを用意
- ☑ フード・水・トイレシートを7日分以上準備
- ☑ 迷子札・鑑札を首輪に装着
避難訓練|クレートトレーニングの方法
避難所ではクレート(ケージ)の中で長時間過ごすことになります。普段からクレートに慣れさせておくことが、避難生活でのストレス軽減につながります。
🏠 クレートトレーニングの基本ステップ
- クレートに慣れさせる: クレートの扉を開けたまま、中におやつやお気に入りのおもちゃを置き、自発的に入るのを待ちます。
- 中で過ごす時間を延ばす: クレートに入ったら褒めて、おやつを与えます。最初は数秒、徐々に数分と時間を延ばしていきます。
- 扉を閉める練習: クレートの中で落ち着いて過ごせるようになったら、扉を閉めてみます。最初は数秒、徐々に時間を延ばします。
- 「ハウス」のコマンドを教える: クレートに入る直前に「ハウス」と声をかけて、コマンドを覚えさせます。
- 長時間の練習: 最終的に、数時間クレートの中で過ごせるように練習します。お留守番の練習にもなります。
クレートを罰として使わないことが重要です。クレートは「安全で落ち着ける場所」として認識させましょう。普段からクレートの中で寝る習慣をつけると、災害時も安心して過ごせます。
🚶 避難訓練を実施しよう
年に1〜2回、実際に愛犬と一緒に避難訓練を行いましょう。以下のポイントを確認します。
- 非常用持ち出し袋を持って、指定避難所まで歩く: 実際の避難ルートを確認。クレートを持って歩けるか試してみましょう。
- クレートに愛犬を入れて、車で移動: 車避難を想定した練習。揺れに慣れさせましょう。
- 避難所の場所を確認: 自治体のハザードマップで、最寄りの避難所とペット受け入れ可否を確認。
- 家族で役割分担を決める: 誰が愛犬を連れて避難するか、持ち出し袋を運ぶか、事前に決めておきましょう。
災害別の備えと注意点
地震・台風・豪雨など、災害の種類によって備えや対応が異なります。それぞれのポイントを押さえましょう。
🌊 地震
- 家具の固定: 犬が普段過ごすエリアの家具を固定し、落下物から守りましょう。
- 避難経路の確保: 玄関までの経路に障害物を置かない。停電時も避難できるよう、懐中電灯を準備。
- 余震への備え: 本震後も余震が続くため、クレートに入れて安全確保。
🌀 台風・豪雨
- 事前避難: 台風は予測可能なため、早めに避難準備を。ペット可の宿泊施設への一時避難も検討。
- 浸水対策: 1階で飼育している場合、フードや防災グッズを2階に移動。
- 停電・断水への備え: 水は多めに備蓄。停電時の暑さ・寒さ対策(保冷剤、湯たんぽなど)も。
🔥 火災
- 火元の管理: ストーブやコンロ周りに犬を近づけない。火災報知器の設置を。
- 迅速な避難: 火災時は数分で逃げ遅れる可能性があります。クレートをすぐに持ち出せる場所に。
よくある質問(FAQ)
Q1. 避難所でペットと一緒に寝られますか?
原則として、日本の多くの避難所では飼い主とペットは別々のスペースで過ごします。「同行避難可能」とは、ペットと一緒に避難所まで移動できることを指し、同室での生活を保証するものではありません。一部の自治体(豊島区、千代田区など)では同伴避難を前提とした避難所もありますが、事前確認が必要です。
Q2. 避難所にペット用品の備蓄はありますか?
ほとんどの避難所にはペット用品の備蓄はありません。フード、水、トイレシート、ケージなど、すべて飼い主が持参する必要があります。最低7日分、できれば10日〜2週間分を準備しましょう。
Q3. ワクチン接種証明書がないと避難所に入れませんか?
避難所によって対応が異なりますが、狂犬病・混合ワクチンの接種証明書の提示を求められることがあります。コピーでも可なので、防災グッズに入れておきましょう。
Q4. 多頭飼いの場合、すべての犬を連れて避難できますか?
避難所の受け入れ可能頭数は各自治体・避難所により異なります。事前に確認し、場合によっては親戚や知人に預けることも検討しましょう。また、クレートは頭数分必要です。
Q5. 在宅避難と避難所避難、どちらが良いですか?
自宅が安全であれば、在宅避難が愛犬にとってストレスが少なくおすすめです。ただし、倒壊の危険がある、ライフライン(電気・水道・ガス)が長期間止まるなどの場合は、避難所への避難を検討しましょう。在宅避難の場合も、7日分以上の備蓄は必須です。
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🎒 SAFETY PLUS 犬用防災セット
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まとめ|今日から始める防災対策
災害時、愛犬の命を守れるのは飼い主だけです。この記事で紹介した防災グッズリストを参考に、今日から準備を始めましょう。
✅ 今すぐできる防災対策チェックリスト
- ☑ フード・水を最低7日分備蓄する
- ☑ 非常用持ち出し袋を玄関に準備する
- ☑ クレート・ケージを購入し、トレーニングを始める
- ☑ 迷子札・鑑札を首輪に装着する
- ☑ ワクチン接種証明書のコピーを防災グッズに入れる
- ☑ お住まいの自治体の指定避難所を確認する
- ☑ 家族で避難計画・役割分担を決める
- ☑ 年2回、備蓄の期限チェックと避難訓練を実施する
「備えあれば憂いなし」。災害はいつ起こるかわかりません。愛犬との大切な日常を守るために、今できる備えをしっかり行いましょう🐾
🆘 災害時の獣医療情報
災害時にペットが怪我をした場合、かかりつけの動物病院が機能していない可能性があります。環境省や各自治体のHPで、災害時対応の獣医療機関リストを事前に確認しておきましょう。
また、ペットの健康手帳や持病の情報をまとめたメモを防災グッズに入れておくと、初めての獣医師でもスムーズに対応してもらえます。
📚 参考文献・出典
- 【2025年最新】犬の防災グッズ決定版!本当に必要なものを — Coco Gourmet
- ペット防災グッズの選び方と必需品リスト|優先度や準備… — Paws Prep
- ペットは避難所に受け入れてもらえる?飼い主が用意しておく — 防災エナジー
- ペット防災チェックリスト完全版|犬猫の備え — 犬猫ライフ
- ペット防災の持ち物リスト完全版|災害時に本当に必要なもの — うちの子防災
- 【犬の防災】地震・台風で愛犬を守る!備蓄品リストと避難の — エゾリッチ
- 犬の非常食について|地震や台風に備えて災害から愛犬を守ろう — GREEN DOG
- 犬の防災グッズは何を用意すべき?必要なアイテムから準備 — Dear Wan Court
- 災害時に犬に必要な物リストと備蓄のコツ|避難しやすいしつけ — Richell ライフプラス
- 災害時に備えて犬猫の飼い主がしておくべきことは?プロの — LION ペット
- 災害時、ペットの避難はどうする?避難方法と事前準備まとめ — Lify.jp
- 同行避難ガイドラインを解説。ペットを守るための準備とルール — うちの子防災
- 防災の日にペットの災害対策を総点検してみよう | 防災コラム — りくなつ
- 愛犬・愛猫を守り災害に備える! ペットのための防災の心得と必要 — sippo 朝日新聞
- 災害時におけるペットの救護対策ガイドライン — 環境省
※ 本記事の情報は2026年1月時点のものです。各自治体の防災計画や避難所の受け入れルールは変更される場合があります。必ず最新情報を確認してください。

