犬の目の病気とケア方法|緑内障から結膜炎まで徹底解説

犬の病気

愛犬の目のトラブル、放っておくと失明することも

「目やにが増えた」「目を気にしてこすっている」——愛犬のそんな様子に気づいたとき、すぐに動物病院に連れて行くべきか迷ったことはありませんか?

犬の目の病気は意外に多く、なかには緑内障のように短時間で急激に悪化し、失明につながるものもあります。日ごろから目の状態を観察して早期発見することが、愛犬の視力と生活の質を守る第一歩です。

この記事では、犬に多い目の病気の種類と症状、日常的なケア方法、そして「これは病院に行くべき?」と迷ったときの判断基準を詳しく解説します。

犬の目のセルフチェックリスト

まず、毎日できるセルフチェックから始めましょう。ポイントは左右の目を比較することです。目の病気は多くの場合、片方から始まります。

目の状態チェック

  • 目の大きさや開き具合が左右で異なっている
  • 白目が充血している
  • 目が白く濁っている
  • 目をショボショボさせたり、まぶしそうにしている
  • 目やにの量が増えた、または黄色・黒っぽい目やにが出ている
  • 涙の量が増えた、または涙やけができている

行動チェック

  • よく物にぶつかるようになった
  • 階段や段差を怖がる
  • 暗いところで動くのを嫌がる
  • 顔周りや目を頻繁にこすっている

上記に1つでも当てはまるものがあれば、早めに動物病院を受診することをおすすめします。

犬に多い目の病気9種類

1. 結膜炎——犬の目の病気で最も多い

結膜とは眼球とまぶたをつなぐ半透明の膜で、ここに炎症が起きるのが結膜炎です。犬の目の病気の中で最もよく見られます。

主な症状

  • 白目(結膜)の充血
  • 目やにの増加
  • まばたきの増加
  • かゆみから前足で目をこする・床に顔をこすりつける

主な原因

細菌・ウイルスの感染、アレルギー、異物の侵入、まつ毛が当たるなどの物理的刺激など、原因はさまざまです。

治療法

原因に応じた点眼薬や眼軟膏を使用します。早期であれば比較的短期間で改善することが多いです。

2. ドライアイ(乾性角結膜炎)——涙の量が低下する病気

涙の量や質が低下することで目の表面が乾き、角膜や結膜に炎症が起きる病気です。パグやフレンチ・ブルドッグなどの短頭種は先天的に涙腺の形成不全があり、なりやすい傾向があります。

主な症状

  • 結膜の充血が続く
  • ネバネバした大量の目やに
  • 目のしょぼつき

治療法

涙を補う人工涙液の点眼薬が基本です。免疫介在性の場合は免疫抑制剤の点眼薬を使用します。点眼をやめると再発することが多く、長期的なケアが必要な病気です。

3. 角膜潰瘍——角膜に傷ができる病気

黒目の表面を覆う「角膜」に傷ができた状態です。シーズー・パグ・チワワなど目が大きく飛び出し気味の犬種に多いトラブルです。

主な症状

  • 角膜の白濁
  • 痛みから目をしょぼつかせる・前足でこする
  • 涙・目やにの増加

治療法

軽度なら点眼薬とエリザベスカラーで治癒します。重度の場合は外科手術が必要になることもあります。放置すると眼球破裂を起こすリスクがあるため、早急な受診が必要です。

4. 緑内障——失明につながる危険な病気

眼圧(眼球内の圧力)が異常に高まり、網膜や視神経を傷つける病気です。進行すると失明に至る危険があります。柴犬・シーズー・アメリカン・コッカースパニエル・チワワなどに遺伝的になりやすい傾向があります。

主な症状

  • 白目の充血
  • 黒目が白っぽく濁る
  • 目が大きくなったように見える(眼圧上昇のサイン)
  • 強い痛みからまぶしがる・頭を触られるのを嫌がる
  • 元気・食欲の低下

治療法

視力の回復はできないため、眼圧を下げて進行を食い止めることが目的です。点眼薬・注射薬・手術・レーザー治療などが行われます。緑内障は急激に悪化するため、症状を見つけたらすぐに病院へ

5. 白内障——水晶体が白く濁る病気

カメラのレンズにあたる「水晶体」が白く濁る病気です。若い犬でも発症することがあり、若いほど進行が速い傾向があります。

主な原因

遺伝・加齢・外傷・幼犬期の栄養不足など。糖尿病に罹っている場合、急激に進行することが知られています。

主な症状

  • 瞳孔の奥が白く見える
  • よく物にぶつかる
  • 暗い場所での動きが鈍くなる

治療法

内科的治療(点眼薬で進行を遅らせる)と、外科的治療(手術で人工レンズを挿入)があります。完全に濁ってしまうと手術以外での視力回復は難しいため、早期発見が重要です。

6. ぶどう膜炎——目の内部の炎症

虹彩・毛様体・脈絡膜をまとめた「ぶどう膜」に炎症が起きる病気です。秋田犬・シベリアンハスキー・サモエドなどで免疫介在性のものが多く見られます。炎症が長引くと緑内障や網膜剥離を合併し、失明することもある怖い病気です。

主な症状

  • 目の充血・多量の目やにや涙
  • 痛みや違和感から目をしょぼつかせる

7. チェリーアイ(瞬膜突出)——目頭が赤く腫れる

第三のまぶた(瞬膜)が目頭から飛び出して露出し、赤く腫れた状態です。チェリーのような見た目から「チェリーアイ」と呼ばれます。コッカースパニエル・ビーグル・ブルドッグなどに多く見られます。再発しやすく、繰り返す場合は手術が必要です。

8. 眼瞼内反症——まぶたが内側に巻き込む

まぶたが眼球側に巻き込んだ状態で、まつ毛や被毛が角膜・結膜を刺激し続けることで角膜炎や結膜炎を引き起こします。ペキニーズ・パグ・トイプードルなどに多く、重度の場合は手術が必要です。

9. 進行性網膜萎縮——光を感じる細胞が失われる病気

光の情報を受け取る網膜の細胞が機能を失っていく病気です。初期症状は暗所での視力低下で、進行すると白内障も合併します。ミニチュアダックスフンドに多く、残念ながら現時点では治療方法がありません。ただし犬は嗅覚・聴覚が発達しているため、徐々に環境に慣れていくことができます。

日常的な目のケア方法

目やにの正しい拭き取り方

目やにはぬるま湯で湿らせたコットンやガーゼで、目頭から目尻に向かって優しく拭き取ります。強くこすると角膜を傷つけることがあるので注意しましょう。

涙やけのケア

涙が多く分泌される犬では、目の周りが常に濡れて細菌が繁殖しやすい状態になります。毎日こまめに涙を拭き取り、目の周りの毛を短く整えることで予防できます。

散歩・外出後のチェック

散歩後は草木のタネや砂などが目に入っている場合があります。帰宅後に目の周りを確認する習慣をつけましょう。

定期的な健康診断

緑内障や白内障など、初期段階では自覚症状が出にくい病気もあります。シニア犬(7歳以上)は年に2回、若い犬でも年に1回の健康診断で目の状態を確認することをおすすめします。

おすすめアイケア用品

犬用目の洗浄液

目やにや花粉・ほこりなどの汚れをやさしく洗い流せる犬用の目の洗浄液。防腐剤フリーで敏感な目にも使いやすい設計のものが多く、日常ケアに取り入れやすいアイテムです。

こんなわんちゃんに:目やにが多い・涙やけが気になる・外出後のケアをしたい犬全般

参考価格:700〜1,200円

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犬用目やに取りウェットコットン

まぶたの周りをやさしくケアできる使い捨てタイプのウェットコットンです。外出先でも手軽に使え、散歩後のケアにも便利です。

こんなわんちゃんに:目やにが多い・涙やけがある・シーズーやパグなど短頭種

参考価格:500〜1,000円

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犬用人工涙液(ドライアイ対策・涙やけ軽減)

ドライアイの予防や目の乾燥によるトラブルの軽減に役立つ犬用の人工涙液です。点眼が苦手な犬でも使いやすいソフトなノズル設計のものが各社から販売されています。

こんなわんちゃんに:ドライアイ傾向がある・目が乾きやすい・短頭種全般

参考価格:1,000〜2,500円

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まとめ:目の異変は早めの受診が大切

犬の目の病気は種類も多く、なかには緑内障のように急速に進行して失明につながるものもあります。「ちょっと目やにが増えた」「なんとなく目が赤い」と感じたら、まずはセルフチェックを行い、異変があれば早めに動物病院を受診しましょう。

日常のケアとして、毎日目の周りを清潔に保つこと、定期的な健康診断を受けることが、目の病気の予防と早期発見につながります。愛犬の目の健康を守るのは、毎日そばにいる飼い主さんの観察眼です。

参考文献

【免責事項】本記事は一般的な情報提供を目的としています。記事内の情報は獣医師による診断・治療の代替となるものではありません。愛犬の目の異変が気になる場合は、必ず獣医師にご相談ください。
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