ペット保険なしで犬が病気になったらいくらかかる?実際の医療費事例集

犬と健康

「もし愛犬が大きな病気になったら、いくらかかるんだろう」——そう不安に思ったことはありませんか。犬の医療費には公的な健康保険がなく、かかった費用はすべて飼い主の自己負担です。通院1回で1万円を超えることも珍しくなく、手術ともなると20〜40万円、場合によっては100万円を超えるケースもあります。

この記事では、手術・入院・慢性疾患管理など病気別の実際の医療費データをもとに、ペット保険なしで愛犬が病気になった場合の現実をまとめました。「今は元気だから大丈夫」と思っている方にこそ、一度目を通してほしい内容です。

犬の医療費は全額自己負担——その現実

人間には公的な健康保険があり、窓口では原則3割負担で済みます。しかし犬には国の保険制度がありません。動物病院の診療費は自由診療で、病院ごとに金額が異なり、かかった費用の100%が飼い主の負担になります。

アニコム「家庭どうぶつ白書2022」によると、犬の年間医療費の平均は約5万9,000円。ただしこれは医療費が0円だった年も含む平均値で、実際に病院にかかった年の平均は約6万5,872円に上ります(アニコム「家庭どうぶつ白書2019」)。さらに犬は9〜10歳を超えると医療費が急増し、シニア期には年間10万円以上かかるケースも増えてきます。

📋 通院・入院・手術の平均費用(犬)

種別 小型犬 中型犬 大型犬
通院(1回あたり) 約13,180円 約14,856円 約16,826円
入院(1回あたり) 約97,900円 約104,635円 約128,527円
手術(1回あたり) 約192,517円 約207,141円 約281,285円

出典:ペット&ファミリー損保(2023年4月〜2024年3月の保険金請求データより)

【病気別】実際にかかった医療費の事例

ここからは、実際の請求データをもとにした病気別の医療費をまとめます。すべて保険なし=全額自己負担の金額です。

椎間板ヘルニア(手術あり)

ミニチュアダックスフンドやトイプードルに多く見られる椎間板ヘルニア。段差の上り下りで突然発症するケースが多く、手術が必要になると費用は一気に跳ね上がります。

【事例】ミニチュアダックスフンド・3歳・入院5泊6日+手術1回

診療内容 金額
診察 1,500円
入院(5泊6日) 20,400円
検査 39,700円
MRI 89,000円
全身麻酔 15,000円
手術 127,300円
点滴・注射・薬 44,750円
合計 337,650円

出典:第一アイペット損保 保険金請求事例

10歳以上のシニア犬では、手術・入院費・術後リハビリを合わせて約38万円かかったケースも報告されています。ヘルニアの完治まで平均2〜3か月を要するため、術後の通院費も積み重なります。

腸閉塞・異物誤飲(手術あり)

好奇心旺盛な若い犬に多い誤飲事故。異物が腸まで到達すると開腹手術が必要になり、手術・入院で10万円を大きく超えます。

【事例①】ミニチュアダックスフンド・2歳・腸閉塞・入院4泊5日+開腹手術1回

診療内容 金額
診察・血液検査・エコー・レントゲン 19,000円
麻酔・開腹手術 100,000円
入院(4泊5日)・点滴・注射 55,500円
合計 174,500円

出典:アニコム損保 保険金請求事例

【事例②】トイプードル・0歳・異物誤飲・入院2日+手術1回

診療内容 金額
検査・内視鏡手術・点滴・注射・薬 141,908円
合計 141,908円

出典:ペット&ファミリー損保 保険金請求事例

膝蓋骨脱臼(パテラ)

チワワやトイプードルなど小型犬に多い膝の病気。軽度なら投薬管理で済みますが、グレードが進んで手術が必要になると15〜25万円以上の費用がかかります。

【事例】トイプードル・4歳・膝蓋骨脱臼(片側)・入院3泊4日+手術1回

診療内容 金額
入院(3泊4日) 20,000円
レントゲン検査×6枚 36,000円
全身麻酔・手術 95,000円
点滴・注射・薬 37,000円
合計 188,000円

出典:アニコム損保 保険金請求事例

骨折

子犬期のソファ・ベッドからの飛び降りが原因になることが多く、細い骨の小型犬は特にリスクが高いです。ギプス固定で済む場合もありますが、多くのケースで手術が必要になります。

【事例】骨折・手術あり(アニコム損保請求事例)

診療内容 金額
入院(7日間) 68,040円
検査・レントゲン 24,840円
麻酔・手術 143,640円
点滴・注射 29,700円
合計 267,840円

出典:アニコム損保 保険金請求事例

骨折は完治まで平均2〜3か月。手術後の通院費・リハビリ費も積み重なるため、最終的な総額は30〜50万円に達するケースもあります。

気胸・重大外傷

【事例】MIX犬・3歳・外傷性気胸・入院6泊7日+肺葉切除術

診療内容 金額
初診・検査 13,000円
全身麻酔・肺葉切除術 215,000円
点滴・注射・入院料・薬 105,000円
合計 333,000円

出典:アニコム損保 保険金請求事例

子宮蓄膿症

避妊手術をしていないメス犬に多く、7歳以降に発症リスクが高まる病気です。内科的治療もありますが、多くのケースで子宮・卵巣を摘出する手術が選択されます。

【事例】混血犬・7歳・子宮蓄膿症・入院3泊4日+手術1回

診療内容 金額
診察・検査 29,500円
全身麻酔・手術 75,000円
入院・点滴・注射・薬 32,500円
合計 137,000円

出典:第一アイペット損保 保険金請求事例

慢性疾患はじわじわ積み重なる——年間医療費の現実

手術・入院の費用は一度で終わりますが、慢性疾患は通院が長期間にわたって続きます。1回の通院費が1〜3万円でも、月2〜3回の通院が1〜2年続けば100万円を超えることも珍しくありません。

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僧帽弁閉鎖不全症(心臓病)

キャバリアやチワワ、シーズーなど小型犬に多い心臓の弁膜症。7歳以降に増加し、薬で進行を抑える内科的治療が中心です。定期検査(エコー・レントゲン・血液検査)が欠かせないため、通院費が毎月かさみます。

実際の費用例:マルチーズ・9歳・僧帽弁閉鎖不全症
通院18日間+入院7日間で合計394,800円(楽天ペット保険 支払事例より)
内訳:通院246,000円/入院148,800円

アニコム「家庭どうぶつ白書2019」では、弁膜症の1頭あたりの年間診療費平均は225,810円、年間診療回数は平均8.3回と報告されています。薬代だけでも月1〜2万円かかるため、長期管理の費用負担は大きくなります。

慢性腎臓病

シニア犬全般に多い病気で、定期的な血液検査・尿検査・点滴が必要です。アニコムのデータでは1頭あたりの年間診療費平均が243,339円、年間診療回数は平均13.1回と、弁膜症以上に高頻度の通院が求められます。透析が必要になると1回10〜30万円の費用がかかります。

てんかん

発作を抑える薬を生涯にわたって飲み続ける必要があり、定期検査も必要です。年間診療費の平均は154,723円(年間診療回数平均6.9回)。急な重積発作で緊急入院が必要になると、さらに数十万円の費用が加わることもあります。

アトピー性皮膚炎・アレルギー性皮膚炎

完治が難しく、薬・シャンプー・食事療法を組み合わせた長期管理が必要な皮膚疾患です。アトピー性皮膚炎の年間診療費平均は123,723円(年間5.6回)、アレルギー性皮膚炎は96,850円(年間4.7回)。症状がコントロールできない時期は通院頻度が上がり、費用も増えます。

慢性疾患の年間診療費まとめ(アニコム家庭どうぶつ白書2019)

病名 年間診療回数 年間診療費平均
慢性腎臓病 13.1回 243,339円
僧帽弁閉鎖不全症(弁膜症) 8.3回 225,810円
てんかん 6.9回 154,723円
アトピー性皮膚炎 5.6回 123,723円
アレルギー性皮膚炎 4.7回 96,850円

ガン(悪性腫瘍)の治療費

高齢犬になるほどリスクが高まるガン。ゴールデンレトリーバーやラブラドールレトリーバーは特に発症リスクが高いとされています。治療費の幅が非常に大きく、手術内容や腫瘍の種類によって大きく変わります。

治療内容 費用の目安
皮膚上の小さな腫瘤切除 2〜10万円
臓器腫瘍の切除手術 20〜50万円
抗がん剤(化学療法)1回あたり 2〜3万円
放射線療法(12〜20回照射) 1回1〜5万円
手術+抗がん剤治療(総額) 50〜100万円超

保険加入済みの飼い主が「保険がなかったら治療を諦めていたかもしれない」と語るケースが多い疾患の代表です。あるラブラドールレトリーバー(13歳)では、悪性腫瘍の手術+抗がん剤治療で80万円超の費用がかかった事例が報告されています。

治療費が払えない場合に起きること

ペット保険会社の調査によると、「治療費が10万円以上かかるようなら治療を諦める」と答えた飼い主が12.3%いるというデータがあります。「5万円以上は諦める」と回答する方も一定数います。

治療費が払えないからといって必要な治療を受けさせないことは、動物愛護管理法に照らしても問題になりえます。大切な愛犬のために、事前の備えを考えておくことは飼い主の責任の一部です。

費用が高額になる場合、動物病院によっては分割払いに応じてくれることがあります。また、クレジットカードやカードローンを使う飼い主もいます。ただし、こうした対応は病院ごとに異なるため、事前に確認しておくことが大切です。

「ペット貯金」で備える場合の現実

保険に頼らず「ペット用に貯金する」という選択肢もあります。ただし、現実には以下のような壁があります。

  • 十分な額が貯まる前に病気になることがある
  • 慢性疾患では貯金が継続的に減り続け、補充が追いつかないケースがある
  • 月1万円を積み立てても12か月で12万円——大型手術には足りないことが多い

貯金と保険を組み合わせる、あるいはどちらかに絞るかは家計状況によって変わります。大切なのは「何も備えていない状態」を避けること、その一点です。

犬のペット保険——選ぶ際に確認すべきポイント

ペット保険は手術・入院費の大きな出費に備えるだけでなく、慢性疾患の長期通院にも対応できるかどうかが重要です。以下のポイントを確認してから選びましょう。

  • 通院補償の有無——慢性疾患が多いシニア犬には通院補償ありが安心
  • 補償割合——70%が主流。高い治療費でも自己負担を3割に抑えられる
  • 1日あたりの限度額——上限なし設定の保険は高額通院時に特に有利
  • 年間回数・金額の上限——慢性疾患で通院回数が多くなっても対応できるか
  • 終身更新の可否——10歳以降も更新できるか、保険料が急上昇しないか

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免責事項

この記事に記載の医療費はすべて過去の実際の請求事例または統計データをもとにしたもので、個々の動物・病院・治療内容によって実際の費用は大きく異なります。医療費の正確な見積もりは必ず担当の獣医師または動物病院にご相談ください。

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参考文献

【アトクリアワン】スキンケア&サプリメント

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