動物病院への通院、ドッグランへのおでかけ、家族旅行——愛犬を車に乗せる機会は飼い主にとって身近な日常です。ただ「乗せる」だけでなく、安全に・快適に移動できるかどうかで、愛犬の負担は大きく変わります。この記事では、ドライブ前の準備から安全な乗せ方、車酔い対策まで、実際に役立つポイントをまとめました。

ドライブ前の準備
出発の2時間前までに食事を済ませる
満腹の状態は犬が酔いやすくなる一因です。出発の2時間前を目安に食事を済ませ、量もいつもより少し控えめにするとよいでしょう。水分補給は出発前にしっかり行い、ドライブ中にもこまめに摂れるよう準備します。
出発前にトイレを済ませる
乗車前に排泄を済ませておくことで、道中の不安やストレスを軽減できます。長距離の場合は1〜2時間ごとに休憩ポイントを設け、トイレタイムを確保しましょう。
持ち物チェックリスト
| カテゴリ | 持ち物 |
|---|---|
| 水・フード | 飲み水・折りたたみ給水器・食べ慣れたフード(長距離の場合) |
| 衛生用品 | トイレシーツ・ウェットティッシュ・ビニール袋・汚れてもよいタオル |
| 健康管理 | 保冷剤・冷却グッズ(夏場)・かかりつけ動物病院の連絡先 |
| その他 | リード・ハーネス・クレートまたはドライブシート・お気に入りのおもちゃ |

安全な乗せ方と法律の話
犬を車に乗せること自体は違法ではありませんが、乗せ方によっては道路交通法違反となる場合があります。道路交通法第70条は「安全運転義務」を定めており、犬の動きがハンドル操作の妨げになると判断された場合、取り締まりの対象になります。実際に小型犬を膝に乗せたまま運転し逮捕に至ったケースも報告されています。
やってはいけないNG行動
- 膝の上に乗せる——視野やハンドル操作の妨げになり、安全運転義務違反となる可能性があります
- 車内を自由に動き回らせる——急ブレーキ時に犬が飛び出す危険があり、道路交通法第55条(乗車積載方法違反)に抵触する場合があります
- 窓から顔を出させる——他の車両との接触事故・落下・飛び出しのリスクがあります(違反点数2点・反則金9,000円の対象になることも)
- 車内に犬だけ残す——気温30℃の環境では数十分で車内が60℃以上に達します。短時間でも熱中症で命を落とすケースがあります
安全な固定方法3選
① クレート(ハードタイプ) 最も安全性が高い方法です。揺れを軽減し車酔いも起きにくく、万一の衝突時に犬が車内で飛ばされるリスクを下げます。シートベルトで後部座席に確実に固定してください。
② ドライブシート・ドライブボックス 座席上に設置するタイプ。メッシュ窓付きで犬の様子を確認しやすく、クレートを嫌がる犬に向いています。付属のリードを必ずハーネス(胴輪)に接続して固定します。
③ 犬用シートベルト(ハーネス型) 大型犬など、クレートに収まらない場合に有効です。首輪ではなくハーネスに接続することが前提で、急ブレーキ時の首への負担を避けられます。
ドライブ中の注意点
車内温度の管理
犬にとって快適な車内温度の目安は20〜25℃です。夏場はエアコンを事前にかけて車内の熱気を逃してから乗せましょう。遮光シートやクールマットの活用も効果的です。停車中は必ず誰かが付き添い、犬だけにしません。
1〜2時間ごとに休憩をとる
長距離ドライブでは定期的な休憩が大切です。高速道路のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)には犬と散歩できるスペースが増えています。休憩中は水を飲ませ、軽く歩いて排泄させます。泊まりがけのおでかけの場合は、目的地周辺の動物病院もあらかじめ調べておくと安心です。
芳香剤のにおいに気をつける
人には感じにくいわずかなにおいでも、嗅覚が鋭い犬には大きなストレスになります。ドライブ中は車内の芳香剤を外すか、換気を意識した運転を心がけましょう。

犬の車酔い対策
車酔いのサイン
こんな様子が見られたら要注意
- よだれが急に増える・ぬるぬるしたよだれが出る
- 口を開けてハーハーと激しく呼吸する
- 震えている・落ち着きがなくなる
- 嘔吐・下痢
予防策
- 出発2時間前までに食事を済ませる
- ハードタイプのクレートで固定し、揺れを軽減する
- 初めての場合は短距離から慣らしていく
- 車内を適温に保ち、においに配慮する
- 窓カーテンで景色の流れを見えにくくする
吐いてしまったら
安全な場所に車を停め、外の空気を吸わせてから吐しゃ物を処理します。ここで大切なのは、過剰に慌てないこと。「吐けば外に出られる」と犬が学習すると、その後さらに酔いやすくなることがあります。酔い止め薬が必要な場合は、必ずかかりつけの獣医師に相談してください。
おすすめグッズ紹介
ペット用ドライブシート
後部座席を汚れから守りながら、飛び出し防止リード付きで安全に固定できます。メッシュ窓付きタイプならドライブ中も様子を確認しやすく、小型〜中型犬に最適。
参考価格:2,000〜6,000円前後
ペット用クレート(ハードタイプ)
揺れを軽減して車酔いを防ぎ、衝突時の衝撃からも守れるドライブの定番グッズ。シートベルトで固定できるタイプを選ぶのがポイントです。
参考価格:3,000〜12,000円前後
まとめ
犬とのドライブを楽しむための基本は、車内で犬を固定することに尽きます。クレート・ドライブシート・ハーネスのいずれかを使い、犬が自由に動き回れる状態にしないことが法律上の義務であり、愛犬の命を守る手段でもあります。
- 出発2時間前までに食事・トイレを済ませる
- クレートまたはドライブシートでしっかり固定する
- 1〜2時間ごとに休憩・水分補給をはさむ
- 夏場は車内放置を絶対にしない
- 車酔いのサインを見逃さず、過剰に反応しない
初めてドライブに連れて行く場合は、近所への短距離から慣らしていくのが一番です。愛犬が「車=楽しいこと」と感じてくれれば、遠くへのおでかけも自信を持って楽しめます。
参考文献
- 愛犬とドライブする際の注意点は?安全に乗車させるポイントや便利なグッズを解説|おとなの自動車保険(損保ジャパン)
- 愛犬とクルマでお出かけ、その乗せ方は安全?意外と知らない危険な乗せ方|Honda Dog
- 犬の安全な車の乗せ方|ドライブ前に知っておきたいルールとケア|ドクターズメイド
- 要注意!犬とのドライブで交通違反?|enkara
- 愛犬のその乗せ方は違法?道路交通法から考える、愛犬との安全なドライブ|GAZOO.com
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、愛犬の健康状態や体質により適切な対応は異なります。車酔いの症状が続く場合や体調に不安がある場合は、必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。
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