犬の皮膚病の種類と症状|アトピー性皮膚炎から細菌性皮膚炎まで

犬の病気

「最近、愛犬がやたら体を掻いている」「皮膚が赤くなっている」——そんな心配を抱えている飼い主さんは少なくありません。実は犬の皮膚病は、病気の中でも特に多いトラブルのひとつ。かゆみや脱毛、フケなど症状はさまざまで、原因によって治療法も大きく異なります。この記事では、犬によく見られる皮膚病の種類と症状、原因、そして自宅でできるケアのポイントをわかりやすくまとめました。

犬の皮膚病に気づくサイン

皮膚病のサインは、見た目の変化だけでなく行動の変化にも現れます。以下のような様子が見られたら要注意です。

  • 頻繁に体を掻く、舐める、噛む
  • 地面や壁に体をこすりつける
  • 毛が抜ける・薄くなる
  • フケが増える
  • 皮膚が赤い、湿疹・発疹がある
  • 皮膚からニオイがする
  • かさぶたができている

症状が一種類だけのこともあれば、複数が重なって現れることもあります。「気のせいかな?」と思っても、数日続くようであれば動物病院への相談をおすすめします。

症状から考えられる皮膚病の種類

症状 考えられる皮膚病
毛が抜ける・薄くなる 膿皮症、アトピー性皮膚炎、皮膚糸状菌症、甲状腺機能低下症
かゆみが強い アトピー性皮膚炎、マラセチア性皮膚炎、疥癬、ノミアレルギー
フケが出る 膿皮症、脂漏症、皮膚糸状菌症
発疹・赤みがある 膿皮症、食物アレルギー、接触性アレルギー
皮膚がベタつく・臭う マラセチア性皮膚炎、脂漏症

犬によく見られる皮膚病6種

① 膿皮症(のうひしょう)

犬の皮膚病の中で最も多いとされるのが膿皮症です。ブドウ球菌などの細菌が皮膚に異常増殖することで発症します。皮膚のバリア機能や免疫力が低下したときに起こりやすく、指の間・わき・お腹周りなどに症状が出やすい傾向があります。

  • 主な症状:赤い湿疹・ニキビ状の膿疱、かゆみ、フケ、かさぶた、脱毛
  • 治療:抗生物質の投与、薬用シャンプー
  • かかりやすい犬種:ブルドッグ、パグ、ジャーマン・シェパードなど

② アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、ダニ・花粉・ハウスダストなどの環境アレルゲンに対して過剰な免疫反応が起きることで発症します。生後6ヵ月〜3歳の若い時期に発症することが多く、完治はできませんが、症状をコントロールしながら生活の質を保つことが可能です。

  • 主な症状:強いかゆみ、耳・目周り・足先・わきの赤み・脱毛・色素沈着
  • 治療:ステロイド、免疫抑制剤、抗ヒスタミン薬、スキンケア
  • かかりやすい犬種:柴犬、フレンチブルドッグ、シー・ズー、ゴールデンレトリバーなど

③ マラセチア性皮膚炎

常在菌であるマラセチア(酵母の一種)が異常に増殖して起こる皮膚炎です。高温多湿の環境や免疫力の低下が引き金になりやすく、耳や皮膚のしわの部分に起こりやすいのが特徴です。

  • 主な症状:皮膚のベタつき・独特のニオイ、強いかゆみ、赤み
  • 治療:抗真菌薬、薬用シャンプー
  • かかりやすい犬種:コッカー・スパニエル、バセット・ハウンドなど

④ 皮膚糸状菌症(ひふしじょうきんしょう)

カビの一種(皮膚糸状菌)が皮膚・毛・爪に感染して起こる皮膚病です。感染した犬や人から直接うつる人畜共通感染症のため、感染が疑われる場合は早めに受診が必要です。

  • 主な症状:円形の脱毛、フケ、赤み、皮膚の発疹
  • 治療:抗真菌薬、抗真菌シャンプー
  • 感染しやすいケース:子犬・老犬など免疫力が低い個体

⑤ 脂漏症(しろうしょう)

皮脂の分泌バランスが乱れ、皮膚のターンオーバーが早くなることで起こる皮膚病です。油性脂漏症(ベタつき)と乾性脂漏症(乾燥・フケ)の2タイプがあります。マラセチア性皮膚炎や外耳炎を併発するケースも多いです。

  • 主な症状:皮膚のベタつきまたは乾燥・大量のフケ・かゆみ
  • 治療:原因に合わせた薬物療法・シャンプー療法
  • かかりやすい犬種:コッカー・スパニエル、ミニチュア・シュナウザーなど

⑥ 食物アレルギー

特定の食べ物に対する過剰な免疫反応が皮膚症状として現れます。口周りや顔・手足・背中などにかゆみが出るほか、嘔吐・下痢などの消化器症状を伴うこともあります。原因食材を特定・除去することで改善が期待できます。

  • 主な症状:顔・足先・お腹のかゆみ・赤み、消化器症状(嘔吐・下痢)
  • 治療:原因食材の除去、除去食試験

皮膚病になりやすい犬種

遺伝的な体質や皮膚構造の特徴から、特定の犬種は皮膚トラブルを起こしやすい傾向があります。

犬種 かかりやすい皮膚病
柴犬 アトピー性皮膚炎、脂漏症
フレンチブルドッグ・パグ 膿皮症(顔のしわ)、アトピー
シー・ズー アトピー性皮膚炎、マラセチア
コッカー・スパニエル 脂漏症、外耳炎、マラセチア
ミニチュア・シュナウザー アトピー、脂漏症

もちろんこれらの犬種以外でも皮膚病は起こります。子犬や高齢犬は免疫力が低いため、特に注意が必要です。

自宅でできる皮膚ケアとおすすめグッズ

病院での治療と並行して、自宅でのケアが皮膚病の改善・予防に大きく役立ちます。特に定期的なシャンプーは、汚れ・アレルゲン・細菌の除去に効果的です。

薬用・低刺激シャンプー

皮膚トラブルのある犬には、皮膚科向けに処方設計された薬用または低刺激シャンプーがおすすめです。抗菌・抗真菌成分入りのものや、保湿成分が高いものなど、症状に合わせて選びましょう。動物病院でも処方してもらえます。

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犬用保湿・皮膚ケアスプレー

シャンプーとシャンプーの間のケアに役立つ保湿スプレーです。乾燥しがちな皮膚のバリア機能をサポートし、かゆみの軽減にもつながります。お散歩後のアレルゲン除去にも使えるタイプが便利です。

こんな犬におすすめ:アトピーや乾燥性脂漏症が気になる犬・皮膚のバリア強化をしたい犬

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エリザベスカラー(掻き壊し防止)

かゆみが強いときに患部を掻き壊してしまうことがあります。エリザベスカラーを使うと掻き壊しや傷の悪化を防げます。ソフトタイプは犬への負担が少なく、食事・水分補給もしやすいです。

こんな犬におすすめ:かゆみで患部を掻いたり舐めたりしてしまう犬

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こんなときはすぐ動物病院へ

自宅ケアで症状が改善しない場合や、以下のような状態が見られる場合は早めに受診してください。

  • 皮膚が化膿している・膿が出ている
  • 患部がどんどん広がっている
  • かゆみが激しく、眠れていない様子がある
  • 食欲や元気が落ちている
  • 2週間以上ケアしても改善が見られない

皮膚病は症状が似ていても原因がまったく異なることが多く、誤った対応で悪化するケースもあります。自己判断での薬の使用は避け、獣医師の診断を受けることが最善策です。

まとめ

犬の皮膚病は種類が多く、膿皮症・アトピー・マラセチア・脂漏症など、それぞれに原因と治療法があります。「よく掻いている」「毛が抜ける」などのサインを見逃さず、早めに対処することが大切です。定期的なシャンプーや皮膚の観察を習慣にすることで、皮膚トラブルの予防・早期発見につながります。気になる症状があれば、まずかかりつけの獣医師に相談してみてくださいね。

参考文献

免責事項
本記事は犬の皮膚病に関する一般的な情報を提供することを目的としており、特定の診断・治療を保証するものではありません。愛犬の症状が気になる場合は、必ず獣医師の診察を受けてください。

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